オバマ医療改革法は【大きな穴】があった
さて中間選挙まで一週間。オバマ政権の二年間が問われることになる。そのオバマ政権にとって「唯一」といっても良い成果の医療改革。どんな法案だったか覚えているだろうか? Fox 2009年11月4日記事より:
→この分厚い法案を議員さん達がわいわいと議論して、可決。オバマ大統領も署名。めでたしめでたし。
だがこの法案、完全執行されるのは2014年。それまで徐々に「国民皆保険」に近づいていく。そして、オバマ医療改革の目玉の一つが「既往症による保険加入拒否の禁止」であった。既往症を理由に保険加入を断ることはできない、というもの。これも2014年導入となる。
そんな中、カリフォルニア州では2014年までの「つなぎ措置」として、既往症のある人も加入できる保険が今週より先行導入されたわけだが...
San Jose Mercury: Soquel man, 55, surprised by health insurance premium of $2,391 a month
Soquel市の自営業Michael Rosenbergさん(55歳)は、既往症を持っていたが薬を飲んでいれば問題ない軽度のものであった。家族3人分の医療保険掛金は月額570ドル(45000円)。これを2001年以降払い続けてきた。ちなみに治療時の自己負担は30%。
医療保険掛金は、高齢になるに従って上がっていく。病気になる確率が高いから。
そして、Rosenbergさんが55歳になった9月から、この医療保険掛金は...なんと【月額2,391ドル】(19万円)に跳ね上がってしまった。治療時の自己負担30%は変わらず。もっと掛金の低い(そして治療時自己負担が多い)保険への切替を申請するも、保険会社は拒否。他の保険会社も既往症がある人には(2014年までは)安いプランを提示することはないだろう。
Rosenbergさんはカリフォルニア州PCIP(既往症用保険)に加入すればよいようだが...それはできない。
PCIPの加入条件は下記3点を満たしていること。これは、前述の分厚いオバマ医療法案の中のどこかに潜り込んでいた条件なのだ。
→ソース
既往症があるにも関わらず2001年から保険に入り続けていたRosenbergさんはPCIPに加入できない。その一方で、保険会社は既往症を理由にRosenbergさんに高い掛け金を請求するわけだ。
Rosenbergさんは他の保険会社が提供するMajor Risk Medical Insurance Programを申請したが加入を拒否された。オバマ医療改革が正式始動する2014年まで、無保険で過ごすことになるだろう。