1+1=0.8くらい?

中間選挙やらQE2やらですっかり忘れ去られた感のある米国Foreclosureスキャンダル。

Naked Capitalism: Bank of America’s Servicing Nightmare

→バンカメの債権回収部門(Servicer)の苦戦ぶりを伝える記事。

バンカメが吸収したCountrywideは色々問題ある貸付を行ったのは事実だけど、債権回収業務については高度なノウハウとシステムとを持っていたらしい。だが合併で旧Countrywideの従業員・管理職の多くはクビとなり、残ったのは「バンカメのServicerシステム」「旧CountrywideのServicerシステム」という毛色の異なる二つのシステム。両システム間ではデータ交換もできない。そして現場はこれらの業務とシステム統合に注ぎ込まれる一方で、膨大な延滞とForeclosure業務が降りかかってくる...

こうなると合併効果1+1=2なんてもんじゃなく、1+1=0.8くらいなのか?

結局、量をこなすために書類偽造などの不正がまかり通って、先日ついにForeclosureを一時中断。報道では「再開した」ということになっているけど、実はそうでもないらしい。

  • 中断されたForeclosure=102,000件
  • 再開後、一週間で裁判所に提出された「再発行宣誓供述書」の数=handful (5〜6通)

このままだと(新規にForeclosureが発生しなければ)2万週間かかることになる。ざっと400年。もちろん、新規Foreclosureもどんどん発生してくるので永久に処理できない(笑

QE2でFedMBSを買取るので銀行のバランスシートが改善されるという見方があるけど、一方でServicer部門はこういう苦労を背負ったまま。企業買収って大変なのね。

ちなみに

旧Countrywideの債権回収業務(Servicing)システムは、.NET系で動いているらしい。開発したのはKeane。そう、先日NTT Dataが買収したところね。1+1=0.8にならないように頑張ってね〜

http://www.keane.com/resources%2Fpdf%2FClientSuccesses%2FKeaneUSA_Countrywide_en.pdf