自民党はスコットブラウン氏に学ぶべし
- そのような「強み」があったので、民主党に慢心が生まれていたのは否定できない。
- だが、今回の選挙ではスコットブラウン陣営の緻密な選挙戦術が功を奏したのも事実だろう。
戦術1・相手に覆いかぶさるべし
- まずはスコットブラウン陣営のテレビ宣伝を観てみよう。
- そもそも今回の選挙は先日なくなったテッドケネディ上院議員(民主)の補欠選挙。
- そのテッドは、言うまでもなくあのJFK大統領の弟である。
- そのJFKの有名な演説を引き継ぐ形で「俺に任せろ」と主張するスコットブラウン氏。
- 追い詰められた対抗馬のMartha Coakley女史はどう出たか?
- よりによって、Martin Luther King Jr.氏の遺志を引き継ぐと宣言したのだ。
- これはちょっと白々しすぎたかもしれない。
- バリバリの白人女性にそんなセリフ言われてもねぇ。
→戦術1: 相手の本来の立ち位置に覆いかぶさり、どうしようもない場所に追い込む。
戦術2・火中の栗を拾う姿勢を見せる
- 都市部にはリベラルな浮遊票がたくさん転がっている。
- そして、宗教的に厳しい見方が多い「同性結婚」と「中絶」は、時に選挙の結果を決定的にひっくり返す可能性を秘めている。
- だが、民主党も共和党も、トップレベルでは「同性結婚はダメ」という立場である。
- この話題に関してだけは、オバマ大統領も厳しい。理由をうだうだ説明したから「ダメ」というのではない。一言「No」なのである。
- そこでスコットブラウン氏がとったのがこの作戦。
- 雑誌へのフルヌード掲載。*1
- 掲載された雑誌はCosmoという女性向けである。あくまでも表向きは女性票対応。
- だが、この写真はボストン市にいて普段は投票しそうにないゲイ連中に強烈な印象を与えた。
- 「こいつなら同性結婚を認めてくれるかも」という期待を与えたのだ。
- 対抗馬のMartha Coakley女史がここまで踏み込むことはないだろうという計算も働いていたはずだ。
→戦術2: 敵陣営も自分たちも共に否定している課題を、敢えて拾い上げる姿勢だけ見せる。そして、その姿勢のとり方は決して相手には真似できない方法で。