北海道書店組合に拍手

中学生はこれを読め」がニュースになってるけどさ、これがニュースになるくらい本屋(そして出版業界、書籍流通業界)は堕落していたということなんだよね。

購買層を定め、そこの需要を掘り起こすのはマーケティングの基本。そんなことをしなくても商売できていたのが日本の本屋。だって、値引きしなくてもよい(というか値引きしちゃいけない)し、売れなければ返品すればよい。リスクゼロ。ただの場所貸し。商品を置いておくだけ。商品知識不要。中身がわからなくても商売できちゃう。

こんなこと、他の業界ではまず考えられない。店員は売るモノ(あるいはサービス)の中身を知っていて当然。なのに本屋はその商品がどこの棚にあるかを答えられれば上等。作品の中身までは知ったこっちゃない。

それがこの「中学生はこれを読め」では大転換だ。店員やその仲間の意見や書評をもとに品揃えをする。つまり、店員が自信を持って商品を売るという「あたりまえ」の状態になった。これは拍手を送りたい。

こうして売れ筋に絞って品揃えをしていくことが普及していけば、再販制度とか委託販売制度なんていうものは、いらなくなるはずなんだよね。だって不良在庫抱えることはないだろうし、たくさん売れるのなら多少値引きしても利益は確保できるだろうし。

北海道書店組合は再販制度廃止の引き金を引いちゃったかも。あらためて拍手。