ランディス事件・Webmd.comにおけるお医者さん達の見解

自転車持参職場の例

WebMDというサイトがある。健康関係の情報を扱っているサイトだけど、ここでランディス事件に関していくつか解説されているのを発見。お医者さん達の間でもいろいろな意見があるのがおもしろい。

7月27日「Innocent Reasons for Landis Dope Test?

この時点ではリークされたT/E比が注目されており、IRMSによるテスト結果については知られていない。そのせいもあって、ランディスに同情的な見解が多い。

  • テストステロンには即効性がないので、Stage 17の成績に結びつかない
  • 手術を控えた股関節の痛みが極度にひどい場合、その痛みを抑えるために体内で大量のテストステロンが分泌される可能性がある

8月4日「Steroid Doping: Questions and Answers

この時点ではIRMSにより、植物から合成されたテストステロンが検出された可能性が高いことが知られていた。このコーナーではテストステロン等のステロイドによるドーピング効果についてQ&A形式で説明している。いろいろあるけど注目したいのは

  • テストステロンは長期摂取により効果が出る。Stage 16でダメダメになって、Stage 17で爆発的にパワーが出る、というようなことは説明できない。
  • IRMSは正確だが、それでも検査機関における検体の扱いで結果に差がでる可能性はある。

8月9日「Floyd Landis: By Intention or Accident?

この記事では、かなりランディスに厳しいことが書かれている。

  • 脳下垂体は血中のテストステロン値をチェックし、脳下垂体ホルモンによりテストステロン生成を調整する。なので、ランディスの脳下垂体ホルモン値とテストステロン値(天然・合成ともに)を継続的に測定すべし。
  • これらの値が徐々に通常な人間の値に近付いていく場合、ランディスはかなり長期的かつ計画的にテストステロンを摂取していたことになる。
  • これらの値がずっと人並外れた値なら、ランディスは本当の超人で、イエロージャージを保持できる。

ただし、この記事、「Stage 17の前と後では異常値ではなかったよ」という読者の突っ込みに対して何も答えていない...

感想

お医者さんによっていろいろな意見があることも面白いが、情報がリークされる都度、見方が徐々に変化してきていることにも注目したい。本来なら、B Sampleの検査が完了するまでは検査結果はもちろん、ランディスの名前すら出てはならないはずだったのに。

ランディスもいちいちコメントせず、「B Sampleの結果がでるまでは何も言えません」くらいの対応していればよかったんだよな...