どうなるディスカバリー

自転車競技界につける薬にて参照したCycling4All.comは、今回のディスカバリー追放劇を予想していたのかもしれない。ProTourをコントロールできないUCI、そしてそのProTourはビジネスセンスのない古豪選手達が動かしているのが最大の問題、とCycling4Allは説く。
そのCycling4Allの最新記事より。

12月10日 ICPTのLefevere座長は(ディスカバリの件で)判断を下さず

来年の1月11日のICPT(ProTourチームの総会)において、ディスカバリーチャネルをICPTから追放するかどうかが決まることになっている。

T-Mobile技術監督のLuuc Eisenga氏によれば「残り17チーム中16チームは同じ意見だ」とのこと。冬季合宿中のBruynell監督は「争点は理解した。ただし、我々にも指摘したい点はある。みんなJan UllrichIvan Bassoのことばかり話しているけど、同様な立場の選手を抱えるLampreやEuskaltelについては何の行動もおこしてないじゃないか」と反論している。ちなみに前日のICPTにはBruyneelは出席していない。

ICPT座長のPatrick Lefevereは、ディスカバリがまだ追放されていないことを確認している。「話し合いの余地はまだある。だからこそ、ディスカバリーを含めて議論することが大事だ。各チームをいらつかせているのはBruyneel監督の主張に一貫性がないことだ。Strassbourgでの話し合い(TdF前日の会議)では、BruyneelはBassoをTdFに出走させないことに賛成していた。だが、数ヶ月したらBassoを自チームに入れているわけだ。ICPTの中の意見も割れている。『過激派』はBassoの解雇を要求しているし、『中道派』はOperacion Puertoの結果が判明するまでレースに出場させないことを望んでいる。私(Lefevere座長)は、時間が経過すれば全てが明らかになると思っている」

ProTourレース主催者達がどういう反応を示すか楽しみだ。1月11日には、反ドーピングのための決意と、ProTourチーム枠を18に減らすという意思表示をすることになる。

ディスカバリー追放に関する一連の議論で当然疑問になるのは、「UCIの意見はどうなのよ」ということだ。 だが、UCIからは何の公式見解も発表されていない。非公式で何も語ってないインタビューが新聞に掲載されているくらいだ。たぶん彼等の態度は2〜3年前と何も変わってないのだろう。 「俺達は好きなようにやる。そして誰の意見も聞き入れないよ。」 ちなみにUCI公式ページには、以下の話題しか掲載されてないのだ。

  • UCI Continental Circuits公式ページの紹介
  • 2006-2007 UCI Europe Tourのまとめ(まだ1レースしかやってないのに!)
  • タイ自転車連盟訪問の話

UCIはきっと冬眠しているんでしょ。

UCIはGrand TourをコントロールしようとしてProTourをでっちあげた。でも、現実にはProTourはかつての名選手(自転車は速いがビジネスセンスはゼロ)が仕切る場所になってしまった。[*1] そこにはOperacion Puertoの調査結果が正しかったのかどうかという検証が全くない。強豪ディスカバリを追放すれば、自分のチームにも勝機がある、くらいに考えているだけじゃないのかな。

*1:ProTourライセンス=相撲の年寄株、と思えばよいだろう。