ユネスコ会議において、反ドーピング条約に30カ国が同意

ちょっと古いニュースだけど、ユネスコの会議において、30カ国が反ドーピング条約に同意したことがIAAF国際陸上競技連盟サイトにて発表されている

この「30カ国」というのは実は重要な数字で、今までは「WADA規定に同意した競技団体」がドーピング取締りをすることしかできなかった。自転車ならUCIがあり、その下部団体のJCI(日本)とかUSCF(米国)とかが自国での活動をしていたわけ。当然、それらの団体には警察のような権力はないから、競技後の検査とか、事前に合意した選手に対する抜き打ち検査(Out of Competition検査)しかできなかった。

30カ国が合意したことで、WADAの反ドーピング規定は一定の強制力を持つようになる。WADA反ドーピング条約に批准した国は、ドーピング行為を警察が取り締まれるようになるわけだ。

この流れを受けて、日本も反ドーピング条約に批准することが読売で報道されている。

同条約が発効するのは2007年2月1日。

コメント

現時点では競技後の検査でしかドーピングを摘発することしかできないのが実情。これではドーピング検査の複雑化と、それを潜り抜ける新しいドーピング手法の発案といういたちごっこになってしまう。複雑化した検査では間違いが入る確率も上昇するが、選手側にはその「冤罪」に反論する機会はほとんど与えられていない。

また、WADA規定に合意したスポーツ団体でしかドーピング取り締まりは行われていないから、多くのプロスポーツでドーピングは野放しになっている。プロスポーツは金を持っている。大きな金が動く以上、ドーピング技術を提供する側にはモチベーションが生まれるのも事実。だからドーピング技術が進歩する。

国が捜査権をもてるようになるのなら、ドーピング技術の供給側を厳しく取り締まる内容にしてほしい。やっていることは薬物の違法販売なのだから。