Quick Stepその後(1)

ベルギーのドーピングスキャンダルを書いた新聞記者がVelonewsでインタビューに応じている。

タブロイド紙ではない新聞が、一面トップとスポーツ面両面の計3面。しかも二日連続でPatrick Lefévère Quick Step監督を叩くというのは尋常ではない。以下、Velonewsのインタビューの概要。

  • 書いたのはMaarten Michielssensというジャーナリスト。24歳。
  • 事の発端はLuc Capelle元Mapei選手(現在、二件の殺人罪で服役中)の獄中インタビュービデオ。現役時代から、Patrick Lefévère氏を中心に薬物ネットワークがあったという告白。これがベルギーの国会議員経由で記者に届く。
  • そのビデオの裏を取るうちに、15人の証言を得る。記事を書くのに使ったのは8人。ただし、それらの情報源は全て匿名。これはこれで議論を呼んでいるが、「現在も自転車レース界で活動している」「他のスポーツ界のトップにいる」「報復を恐れている」などの理由で名前を伏せているらしい。QuickStepの現役選手は、当然名前を出せない。
  • この時期にぞろぞろと証言がでてきたのは、Lefévère氏のBassoやLandisに対する発言がきっかけ。氏の過去を知る人からすると「そういうお前は何様のつもりじゃ」となるらしい。
  • 記事を公表する前にLefévère氏とは電話で1時間以上話をしている。氏は当然ほとんどの内容を否定。覚醒剤利用だけは認めた。
  • 現時点ではPatrick Lefévère氏側からは起訴されてない。

考察

Johan Museeuwがドーピングをしていた、と告白したことで、Patrick Lefévère氏のUCI Pro Tourにおける立場はちょっと苦しくなってきた。Musseeuwはその事実を2005年の時点で公表しようとしたが、Lefévère氏はそれを阻止した、というのである。この行為は(既に有名無実化した感はあるが)Pro Tourの倫理規範に違反している。

でも、「匿名情報源」が多すぎるなぁ、という気もする。今も現役というQuick Stepの選手が思いきって実名で発言してくれたら、かなりすっきりするのだけど。ちなみに自分はその情報源がBoonenだったら嬉しいなぁ、と思ってる。