YouTube対策の決め手? 非排他的包括ライセンス方式
米国におけるUFCおよびPrideのペイパービュー番組の売上げを調査していた嫁さんが、こんな論文(の最終下書き)を発見。
If You Can’t Beat ‘Em, Join ‘Em: Establishing a BMI/ASCAP Type Nonexclusive Blanket Licensing System to Combat Internet Piracy of Movies and Mixed Martial Arts Intellectual Property and Videos. (駆逐できないのなら一緒にやろうや: BMI/ASCAP式の非排他的包括ライセンスによる、映画やMMA著作物のインターネット盗用対策)
MMAってのはMixed Martial Artsの略で、日本でいうK-1やPrideに相当。米国ではUFC(Ultimate Fighting Championship)も人気があるけど、PrideやK-1人気もなかなかのもの。日本のようにネット局での中継枠が取れないので、ペイパービュー(PPV)やDVDの売上げに依存するしかない。そして、それらの販売チャネルは常に不法コピーと戦わざるを得ない。この論文下書きは、その問題点の本質を整理し、対策を提示しようとしている。
要点だけあげておくと
- 裁判所がいろいろ理屈をこねて最終判断を下すまでの間に技術はどんどん進歩してしまう。ならば無理して戦うよりも、これらの技術に相乗りするほうが得。
- DVDやPPVの違法コピーにより、DVD/PPVの売上げに打撃があることは事実。オリジナルとコピーが同じ品質なら、コピーを選ぶ消費者が多数を占めるのは仕方ない。
- YouTubeのような画質の低い違法コンテンツが、DVD/PPVの売上げを向上させるのは事実。(このドラフトでは引用元が記載されていない)
- ならばMMAコンテンツ著作権保持者は、インターネット配信にシフトすべし。その場合
- 古めのコンテンツはある程度画質を落として、定額ダウンロードし放題の会員制サービスに。
- その会員は、高画質なオンデマンドコンテンツにアクセス可能。最新試合などはこちらから。PPV枠が確保しにくくなってきた中、インターネット配信は有望。
- 独禁法にかからないよう、配信元は複数に。
- DVDは高画質(HD-DVD/BluRay)に。不法コピーのDVDが作られる可能性は残るけど、摘発は容易。これらのDVDからYouTubeに流れる可能性は残るけど、それがオリジナルDVDの宣伝になっているのは事実。もちろん、目に余る著作権違反についてはYouTubeに削除を要求する。
JASRACのおっさん達の頭をリセットしても、絶対出てこないであろう発想。