サブプライムローン問題

日本の新聞でも報道されている米国のサブプライムローン問題。調べていたらPIMCOのBill Gross氏のブログを発見。債券投資の神様みたいな人が斬るサブプライムローン問題は...読んでいて絶望的な気分になってきた。

  • Bear Stern配下のヘッジファンド崩壊とか、先週の株急落とかは問題の序の口の序の口。(27分の3なんだそうな。詳しくは原文を)
  • サブプライムローンの多くを占めるARM(変動金利ローン)は今後ますます返済不能なのがでてくる。2007年は$500B、2008年は$700B。
  • 現在の貸し倒れ率は7%。この時点でBBB格のRBMSやCDOは無価値に。
  • 今後、貸し倒れ率が10%になると、AAA格の投資案件も影響を受ける。

ARM

2〜3年前までは「頭金ゼロ。月々$1300の支払いで60万ドルの家が買えます!」みたいな広告がよく見られた。これはARMの中でも悪質な「Interest Only Loan」もしくは「negative amortization loan」というやつ。最初の3年は元金は返済せず、利息のみ(あるいは利息の一部)だけ払い、2〜3年後に支払額を見直す、というもの。元金は減らないか、むしろ増えているから、この支払が成り立つのは

  • 金利が下がり続ける
  • 物件価格が上昇し続ける→転売すれば儲かる

という前提が必要。ところがこの数年で金利は上昇し、不動産価格は下落。銀行も以前ほど気前よく貸してくれないから転売しようにも買い手がつかない。

そんなところに支払額見直しの時期がやってきて、月々$1300の支払いだったのが、一気に$4000とか$5000になって白旗揚げる、と。こういう貸し倒れが今年は$500B(60兆円)、来年は$700B(84兆円)なんだと。グローバル化した経済は、これだけの金額を「先食い」しちゃっているわけだから、今後しばらくは寒い時代が続くのね。PIMCOのGross氏が言うのだから間違いない。