証券化の知識
PIMCOのBill Gross氏がブログで面白いことを書いている。
The woven tangled web of subprimes has claimed more than its share of victims in recent months. Homeowners by the hundreds of thousands, to be sure, but also those that created, packaged, insured, distributed, and ultimately bought what should have been labeled "junk mortgages," but which by a masterstroke of marketing genius were given a more respectable imprimatur. "Skim milk masquerades as cream," warned Gilbert & Sullivan a century ago and sure enough, modern day subprimes packaged into financial conduits with noms de plume such as "SIVs" and "CDOs" pretended to be AAA rated cubes of butter.
この原文で「package」「insure」という言葉がでてくる。いわゆる証券化に関する用語だ。このあたりをよくわかってないので、「証券化の知識」という本を買ってきた。
- 作者: 大橋和彦
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞社
- 発売日: 2001/07
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サブプライム問題ではなく、証券化バブル
前々から不思議だったのは、なぜ欧米の銀行達がSIVという別事業体を連結決算対象としていなかったのか、ということ。結果的にSIVは多額の不良債権を抱えてしまい、いずれは親元の銀行が引き取る(そして損失を計上する)必要がある。だったら、なぜ最初から連結対象にしないのよ? と思わない??
で、「証券化の知識」を呼んで納得。銀行が所有する資産をそのまま証券化したら、本体の銀行が破綻したときに証券化された商品は無価値になってしまう。だから、証券化にあたっては資産を別会社に移す、ということ。
でも、この仕組みは銀行が体力以上にお金を貸し出せる、という結果にもつながる。Wikipediaのインフレーションにある「信用インフレ」状態。
銀行が過度に貸付を行うことにより発生する。銀行の信用創造機能が過剰に働くことにより、貨幣の流通量が増大する。
欧米経済は、証券化バブルが引き起こした信用インフレが行き詰った状態なのであろう。その巻き返しが始まったのがこの夏以降。