カリフォルニア州 財政緊急事態宣言へ

地方局サイトNBC11より: 

Schwarzenegger Will 'Declare Fiscal Emergency' In Weeks

  • シュワルツェネッガー知事は、来月にでも州財政の緊急事態制限に踏み切る見込み
  • 赤字額は専門家が予測していた100億ドルを上回る140億ドル(1.6兆円)
    • サブプライム問題の影響で固定資産税収入が減ってしまった
    • 州債の利払いが増えた

説明

知事は公約で「増税なし」「歳出削減なし」と宣言しているが、緊急事態宣言によりこの約束をひっくり返せるらしい。各種公共サービス(教育、医療、警察)の質が下がるのは確実。公共事業も減るだろう。

不思議なのは財政赤字で騒ぐ規模。3000万人のカリフォルニア州で140億ドルの赤字。一人当たり466ドル=52000円。日本の財政赤字金額に慣れた自分はなぜこれで騒いでいるのか、怪訝に思ってしまった。で、こういう規則があるのを知る。

State Balanced Budget Requirements

  • 連邦政府の赤字は繰り延べが認められている
  • 州政府や地方自治体の赤字は繰り延べが認められていない→単年度で近郊を保つ必要がある!

もちろん、予算年度終了日でぴったり合わせることは不可能だから多少の持ち越しはやむを得ないし、議会の承認を得られれば地方債を起債して借金をすることも可能。ただし、借り換えのための地方債発行はもちろん、恒常的な地方債発行もだめ。だから、この段階でシュワルツェネッガー知事は緊急事態宣言をして歳出を絞りにかかる、と。

このやり方だと、好況時と不況時の波が激しくなるけれど、累積赤字でどうしようもならないところまで追い込まれる可能性は低くなる。長い目で考えればよくできた仕組みではなかろうか。

まあ、連邦政府の累積赤字を考えると絶望的な気分にはなるが(笑