妥協に妥協を重ねた景気刺激策案がでてきたけど...
CNN: Stimulus package deal struck; no checks to wealthier workers
- 懸案の景気刺激策案が米国時間24日の午後に発表された
- 総額1500億ドル(16兆円)
- 税戻しは中所得階層に限定。(個人だと年収上限75000ドル、世帯だと年収上限15万ドル)
- 税戻し小切手発行は、下院での法案可決後最速で60日後。6月以降か。
- 企業向けに、設備投資資産税免除が行われるらしい(詳細不明)。
- 住宅ローン関係では...
- 連邦住宅抵当公庫(Fannie Mae)と連邦住宅金融抵当金庫(Freddie Mac)の保証額を「一時的に」増額。
- 連邦住宅局(FHA)の低所得者向け住宅ローン条件の緩和
リフレーション=バブル再び
- 税戻しなど、納税者への配慮を見せているけど、本音は金融機関救済策でしょ。
- 特に最後の住宅ローン関係。
- 民間金融機関が抱えているヤバいローンを、準政府機関であるFannie, Freddie, FHAに引き取らせるわけだ。
- これで少なくとも金融機関のバランスシートは劇的に改善する。
- 実現されたら、株式市場は金融機関がひっぱって(短期的には)急上昇するのでは。
- もちろん、下院での承認が必要なわけだが...
- Fannie, Freddieなどの資本金をどーするんだという議論が残されている。
- 今でも資本過小なのだよ...
- Fannie, Freddieが「飛んだら」税金で補填する以外に道はない→高くつくよ
根本的問題は解決してないから、バブルははじける
このブログのグラフに注目
- http://wallstreetexaminer.com/blogs/winter/wp-content/uploads/2008/01/stddiv.PNG
- 世帯収入と住宅の価格(いずれもmedian:中心値)とを比較したグラフ
- 今回のバブルでは住宅価格は世帯収入の標準偏差3倍以上まで上昇
- 明らかに住宅価格は高すぎ、調整が必要
- http://wallstreetexaminer.com/blogs/winter/wp-content/uploads/2008/01/margindebtmktcap030307.png
- 資産価値と借入れとの関係
- 借入れ率が歴史的に高い状態
- 1987年のブラックマンデー前より高い!
借金依存での経済成長が太刀打ち行かなくなっているというのが問題の根本なのに、さらに借金させるような「景気刺激政策」を実行する(できるかどうかはわからんけど)ことに、どれくらい効果があるのだろう。
追記
FannieとFreddieの融資限度額拡大については、早くも反対意見が出されている。