ヘッジファンドもオープンソース(なのか?)
サブプライム住宅ローン問題が発展して、一躍注目をあびるようになった債券保証業者(モノライン)。その債券保証業者の採算に早くから疑問を持ち、株を空売りする事で大きな収益をあげたヘッジファンドがある。Bill Ackman率いるPershing Squareだ。
そのBill Ackman氏が債券保証業大手二社(MBIA/Ambac)に公開質問状を出している。原文はPDFだが、テキスト形式にしたものがFT紙のブログサイトにて公開されている。
注目したいのは、Bill Ackman達がMBIA/Ambacの収益(ちうか、損失)を分析するのに使ったツール。「ただのExcelのシート」といえばそれまでなんだけど、MBIAやAmbacが保証している(とされる)各種債券やCDOなどのデータがずらりと並んでいる。
Bill Ackman達はこれらのデータを「オープンソースモデルに習って」世間に公開し、他の投資家達もMBIA/Ambacの将来を分析できるようにした。ちなみにデータは上記ブログ内にあるリンクから持ってくる事ができる。
一方のMBIAは...
Bloombergによれば:
- この四半期で23億ドルの損失を計上
- CEOは投資家向けにいろいろと釈明
- AAA格は維持できる! →どうやって、という手段には触れず
- Wilbur Ross氏が5億ドルも出資してくれました! →一ヶ月も持たない計算なんですけど...
それでも株価はあがる
- そんな状況ではあるけど、本日のNY市場は上昇。特に、MBIAとAmbacが金融部門を引っ張ったように見えた。
- ま、「月末で空売りの買い戻しが多かった」という所ではなかろうか。
- 上記、Ackman公開のデータを投資家達がどう分析するか。野次馬としては楽しみ。