経済観察日記・シリコンバレー(ベイエリア)の住宅状況
Bay Area home sales lowest for any month in two decades
- 2008年1月のベイエリア住宅販売件数は、この20年間で最低の3586件
- 前月比29.2%減
- 前年同月比41.9%減
- 中心価格(Median)は55万ドル
- 前月比6.4%低下
- 前年同月比8.5%低下
- 過去最高だった2007年7月より17.3%低下
- 月々の返済額は平均2503ドル(高い!)
- 前月比$241減
- 前年同月比$301減
- 昨年7月の史上最高からは24.8%低下
- 抵当流れ(Foreclosure)の件数は過去最高に近い
異なる見解
- 弱気論...融資基準が厳しくなったので、さらに需要が低下する
- 強気論...市場の一時的な混乱なので、やがて持ち直す
- 確かなことは...2007年8月に明確になった信用収縮が大きな影響を与えていること。
- 価格の高いベイエリアでは、いわゆる「ジャンボローン」は必須
- このジャンボローンの融資条件が信用収縮で非常に厳しくなった
景気刺激策
- 先日ブッシュ大統領が署名した景気刺激策は、これらジャンボローンを連邦住宅抵当公庫(ファニーメイ)や連邦住宅金融抵当公社(フレディーマック)で買い取るようにする条項が盛り込まれている
- これによりベイエリアの住宅需要は回復するか?
- 自分は「効果は薄い」と予想する
- 大事なのは総枠ではなく、LTV。頭金をどれくらい入れたかが重要。
- LTVがでかければ(頭金が少なければ)当然リスクプレミアムを要求してくる=利率は高くなる
- よりリスクの小さいはずの地方債ですら、数%〜十数%のプレミアムが必要な昨今←信用収縮の怖いところ
- どうしてこれを誰も指摘しないのか? ファニーやフレディーの資本を増強しない限り、ジャンボに一件融資したら安い住宅の融資二件分の融資枠が減ってしまう。 全米で見れば、住宅の需要回復にはつながらないことになる。