要因(Fundamentals) vs 法則(Technical)

要因(Fundamentals) vs 法則(Technical)

相場の動きを分析する方法は、要因(Fundamentals)分析と法則(Technical)分析に大きく分類できるのはご存知のとおり。そして、どちらもそれほど役に立たないのもご存知のとおり。

要因分析が当たりまくるのであれば世の経済学者達はもっと裕福なはず。そして、最も基礎的な「株価=収益×P/E」という数式のP/E自体が投資家の主観を反映したものなので、要因分析の結果も主観的になってしまう。

法則分析はそもそも各人の主観に頼る部分が大きく、同じチャートを見せても人によって異なる分析結果が出てくる。

つまり、どちらも主観的分析に頼る部分が大きい。

だとしても、今の相場はおもしろい分岐点に来ているのではなかろうか。

S&P500過去1年

$TNX(10年国債利回り指数)

比較的強い相関を見せてきたSP500と$TNXだけど、どうやら$TNXは200日移動平均から上に飛び抜けそう。MACDを見ても、その期待は強い。 そして、それを裏付ける要因として、国債の大量発行がある。

で、金曜時点でのSP500 P/Eは23.40。今後金利が上昇する中で、従来同様$TNXと足踏みを揃えて値を上げていくには、このP/Eがさらに上昇する必要がある。つまり、第2四半期以降の劇的V字回復は必須。

一方、金曜時点での期待P/Eが15.24だから、一年間の期待成長率は23.4/15.24=1.53倍となる。四半期あたり、ざっと11%成長が必要。これってどう考えても無理。そして、金利が上昇すればこのハードルはさらに高くなる。ちなみに第1四半期のSP500収益はマイナス25.9%。

ということで、S&P500は金利と連動するのを止めて、調整が入ってくる、と予想している。とはいっても、期待P/Eが示すあたり($950台)まで一直線で行くことはなく、まずは3月の底値$1270を試すのでは。そして、次が一年前のP/E 18が示すあたり。($1100レベル)

いずれにせよ、第2四半期の決算を推測するデータが揃ってくる6月半ば以降はかなり荒れるのではなかろうか。

原油


マイナス金利政策に対するヘッジとして原油相場が上がってきたのなら、こちらも調整は必須。で、要因分析では説明のつかない状況なので法則分析に頼らざるを得ない。$95, $85, $75と切り下げていくんじゃないかなー。(注意 チャートはUS Oil Fund:USOであって、有名な原油先物とは異なることに注意。 自分は原油価格に30-50%の調整があっても驚かない。)

SP500の収益は、原油などの原材料部門が持ち上げている。ここの収益が落ちていくと、前述株価分析はもっと厳しい状況になる。