システム開発のお値段
「○○社にシステム開発の見積もりを出したけど、めちゃめちゃ高かった。けしからん。」「△△社は、客によって請求価格を変えているらしい。けしからん。」
等という愚痴をよく聞くけど*1、開発をする立場から言わせてもらうと...
「文句を言う前に、もう一度考え直して欲しい」。
高い・安いを判断する基準は?
- 「高い」と文句を言う人は二種類に分類できる。
- 「論理的」と「感情的」。
企業から見れば、システム開発は投資の一環でしかない。ならば、
- 投資額 < その投資が生む利益
を実現できるかどうかが、「高い」「安い」を判断する唯一の基準ともいえよう。
極端な話、10億円投入しても、10億と1円を回収できれば「そのシステムは高くはない」ということになる。*2
で、こういう判断をするには「そのシステムでどういう事業運営・企業運営をしていくか」という視点が不可欠になる。こういう判断をできる人のトップがCIOだと思うんだけど、日本的合議制経営だとなかなかこういう人はでてこない。さらにその下につく人達が高級伝書鳩状態になってしまうと最悪。伝書鳩たちの判断基準は、絶対金額だけとなってしまう。いくら稼ぐか、という視点が欠如するわけね。
で、「高い〜 高い〜」という合唱が始まる、と。
成長の筋書きは?
システム開発は発注する側はもちろん、受注する側にとっても「投資」である。末永く仕事をもらえるのであれば、あわてて高い利益を追求する必要はない。
で、営業企画の研修で必ず出てくる図だ。
- ある業界を通信簿のように5段階分析する。
- 3が平均
- 5は優秀。イ○ンとか○○ー○ー○堂みたいな。
- 1はダメ。○○○ーとか。
で...
- 3に対しては5年回収という標準値付けをする。
- 5に対しては、末永いお付き合いを期待して「戦略的値付け」をする。つまり、安くなる。損して得取れ。
- 1に対しては...短期回収が可能な値付けをする。つまり、高くなる。
銀行が高リスクな相手には高い金利で貸すのと似たようなもんだ。ただし、システム開発屋は銀行みたいに担保を取ることができない。発注者が長期的成長路線に乗っているのかどうかが、判断基準となる。
で、これを示すのがCIOのはずなんだけど(以下、愚痴の繰り返し)