週末政治経済雑感

沈み行く船の中で、良い座席を競うが如し

  • 「正規 vs 非正規」とか「若手 vs 老害」みたいな対立構図は、確かにわかりやすい。
  • でも「非正規にも正規雇用と同等の権利を」みたいな要求をして戦うのは、沈んでいく船の中で良い座席を競ってるようなもんでしょ。

右舷が沈んでいるから左舷に人を集める

  • 民間で雇用創出できないから政府が動け、ってのも似たようなものかも。
  • そりゃ政府は雇用を創出できるかもしれない。
  • でもそれって、民間の雇用が政府系に移動するだけでしょ?
  • それも、ものすごく低い生産性で...

オバマの雇用創出に対する大きな疑問(Bloomberg)

Caroline Baum氏はObama’s Job-Creation Program Flunks Basic Math(雇用創出プログラムを考えたオバマ氏は算数落第)という記事で重要な指摘をしている。

  • 景気刺激策の予算は7500億ドル
  • この対策で生み出される雇用は2011年までに300万人(当初は250万人と言ってた) *1
  • つまり、一つの雇用を生み出す原価は25万ドル...
  • 一方、アメリカの失業者数は1000万人。
  • この人達に一律75,000ドルを配っても...7500億ドル。

→25万ドルを費やして生み出された雇用のもとで働く人が、25万ドル分の税金を収めるのには何年かかるのだろうね...

記事はさらに続く...

  • 雇用創出が政府の目標なら話は簡単。
  • 穴掘りの仕事なら、機械を使わずシャベルを使う。あるいは100倍の人を集めて、スプーンで掘らせる!*2
  • これは技術の進化と逆方向に歩む、ということだ。
  • 技術の進化で生産性があがり、生活水準が向上した。生活水準が向上することで、新たなサービス業が生まれた。
  • 政府による雇用創出は、その流れを否定する、ということになる。
  • 生産性の向上を目指せるのは民間だけであり、政府がやるべきことは民間企業に活力を与えること、とこの記事は結んでいる。

オバマ(と、裏で糸を引いていると思われるナンシー・ペローシ)は、このあたりがもうダメっぽい。

South Parkの予言と現状

South ParkAbout the last nightというエピソードは

  • Obama当選に熱狂した人達がパトカーをひっくり返して

  • 以前よりひどくなった現実を知って「あの野郎! やっぱりマケインに投票すればよかった!」と後悔する、というオチ。


  • そして現状はこのあたり。

*1:追記: その後さらに増えて400万人となった。

*2:そういう意味では日本のシステム開発産業は、まさにこの路線だわな...