量的緩和(QE)の背景と効果

Clive Corcoran: Quantitative Easing and the Disappearance of Income

  • 上記記事はClive Corcoran氏による、量的緩和(QE)政策の背景分析。
  • そもそもは米国債モーゲージ債を長期保有していた投資家達が、それらの資産を売りに出してきたらしい、という問題がある。
  • 長期保有により毎月一定の収入が確保されているのに、一時的な現金欲しさに資産を売りに出すということは、年金運用団体などが資金不足になっているのではないか、と。
  • また、海外勢による米国債モーゲージ債の買い取りも低調。
  • 結果、米国債の価格は低下(利回りは上昇)してきた。
  • これでは住宅ローン金利も上昇し、住宅市場回復は遠のいてしまう。
  • だからこそこのタイミングでFed国債モーゲージ債を買い取ることで長期金利を抑えたいのではないか、ということ。
  • ただし、おまけもある。

If buyers are tempted back into the property market by the rigged mortgage rates on offer we will only be back into a new default cycle as these buyers will once again have been seduced into buying homes that, in the fullness of time, they really could not afford.

  • 金利に誘われて家を買うような人達は、無理して家を買ってるようなものなので、結局は再び返済不能の波が押し返してくるだけではないかと。

おまけ(2)

  • 同じ人が書いている株式市場分析記事
  • 米国10年債利回りと日経平均には相関がある。
  • Fed国債買い取りによる利回り低下は日経平均にはよろしくない、ということ。*1
  • が、利回りとの相関は米国銀行株インデックスやダウとの間にも観測される。
  • これ以上人工的に国債利回りを下げると、株式相場はもう一段底抜けしかねない、というお話。
  • 3月安値からさらに20%...S&P500で530くらいか...

*1:円高に振れるからこれはそのとおりだろう