へそ曲がりの視点: Market Sentiment(市場心理)とか
市場心理
- Investors Intelligenceという会社がある。
- 投資家に対して聞き取り調査をして、「強気派(Bull)」「弱気派(Bear)」の比率を定期的に発表している。
- 最新版はこちら。
- おもしろいことに弱気派(青線)の比率が下がると、相場は目先の天井を打つことが多い。
- もちろん、これは弱気相場に限った話。
- 2007年秋までの強気相場では、常にBull(強気派)が主流を占めていた。
- そして2009年6月頭の時点では、弱気派比率が30%まで低下。
- 去年5月末と同じ状況。
- ちなみに、3ヶ月前の「底」では弱気派が主流だったのね。
- 市場心理はあてにならない、ということを示す話ではないかな。
信用市場
- 「LIBOR下がったから信用市場はもう大丈夫だ」みたいな論調を目にするようになった。
- でもLIBORは銀行間決済の話。中央銀行がじゃぶじゃぶと流動性を供給している(=常にBaioutしている)のだから、LIBORは下がって当然。
現実は...
- Fed: Delinquency Rates Surged in Q1 2009→商用銀行が融資した、商業用ローン、住宅ローン、消費者クレジットカードローンなどの返済遅滞比率が過去最高を記録。
- Bankruptcy Filings Reach 6,000 A Day→米国における個人破産申請件数は、一日あたり「6000件」に。
- Breakfast With Dave→米国世帯の負債:資産比率は過去最高に(表示されるPDFの図1)
- Foreclosures and the Home ATM→住宅バブル開始前の90年代に家を購入した人達でも、住宅価格上昇分をHELOCで全額引き出してしまった場合はForeclosureに追い込まれる可能性大。つまり、Foreclosure予備軍はさらに増えるということ。
金融機関
The study looked at earnings statements from nine of the largest mortgage lenders and found that they posted, as a group, $4.5 billion in mortgage-production income during the first quarter, up from $533 million in the fourth quarter of 2008 and $1.49 billion in the previous year's first quarter. Mortgage-production income during the first quarter represents about 86% of what those banks made from originating loans in all of 2008.
- 第一四半期の収益は、住宅ローンの借換に大きく依存していたことになる。
- その額、9大銀行で45億ドル。
- 第一四半期の銀行セクタの収益は69億ドルだったはずだから、半分くらいは「借換」需要。
- その借換ブームは、住宅ローン金利が上昇したら終わってしまう
→5月末の時点で終わった模様。しかも、審査待ち分までキャンセルされる可能性が高いので、実際には第二四半期の収益の半分は飛んだと思ってよいかも。