Agile2009三日目

masayang2009-08-26

  • 本日聞いてきたお話

Scaling Scrum with Feature Teams

  • 大規模SCRUMの話。
  • 日本にも支社があるOdd-eによる発表。
  • 「どんなに大規模になっても、Product Backlogは一つにまとめよ」
  • 「The Product Ownerはどんなに大規模でも一人」
  • 一人しかいなくて、しかも他の仕事が忙しいProduct Ownerが、膨大な量のProduct Backlogをどう管理するのか?
  • 一方、開発は複数チームに分けざるを得ない。
  • どういう根拠で開発チームを分けるのか?
  • 「大雑把な設計をし」「そのサブシステム単位で分ける」のが古典的な考え方。
  • だが、この段階での設計は非常に粗い。
  • その粗い設計を元にチーム分割する時点で、将来に向けての問題を埋め込むことになる。
  • そして問題が発覚する時点で手遅れ。まずいチーム構成のまま進むことになる。
  • Product Backlog...利用者の視点。
  • 大雑把な設計によるチーム分割...開発者の視点。
  • ここで不整合が生まれている。Product Backlogをどういう根拠でチームに割り振るのか?
  • Product Ownerは実装のことなどわからないので割振り基準を理解できない。
  • 各開発チームは自分の「縄張り」以外の実装を含むProduct Backlogが振られることを回避できない。
  • 結果的に他チームへの仕事依頼や他チームソースとの同期などが必要になる。
  • そこでPM(プロジェクトマネージャ)の登場ですよ!
  • とはならない。
  • PMは各チーム間で生じる不整合などを「予測し」「対処する」。
  • この予測が正しかったかどうかは、対処が終わるまでわからない。
  • その周期はイタレーションより長いのが普通なので、Agileの強さを殺すことになる。
  • この発表で「なるほど」と思ったのは、チームを「Product Backlog単位で分ける」という方針。
  • つまり、Product Ownerの視点。
  • その分担を決めるのがFeature Team。
  • 各Feature Team構成員の下に、開発チームがつく。
  • 結果的に開発チーム間でソースコードの共有が発生する。
    • あるチームが他チームのソースに手を入れることもあり得る。
    • チーム間で重複する機能を造りこむ可能性もある。
  • これらにうまく対処するには...
    • スケールする継続統合環境(CI)の構築。
      • 個人単位の開発・テスト環境
      • チーム単位のリポジトリ・テスト環境
      • 全体でのリポジトリ・テスト環境
      • 個人の環境で全部テストが通らなかったらチェックインできないのと同様、チーム単位でのテストが通らなかったら全体でのリポジトリにもチェックインできない。
    • 各チーム間でのアーキテクチャ共有。(Architect Facilitation)
    • 他チームのソースを触る際には「互いを尊重」するか「ソース管理担当」を置くか。前者は性善説、後者は性悪説

ほほう、と思ったこと。

  • 聴講者のうち、50人以上のAgile/Scrum開発をしたことがある人の割合は1/3近く。
  • 100人以上でも1/4はいた。
  • 大規模Agileはどんどん根付いている。
  • そこいくと日本の某社は...(溜息

Scaling Software Agility: Best Practices for Large Enterprises

  • こちらも大規模Agileの話。
  • こちらは「Product OwnerやProduct Backlogは複数分割しても良い」という主張。
  • ただし、開発は「System Agileでいけ。Component Agileではだめだ。」とも言ってる。
  • 最初の人と同じ。つまり、設計ベースでチームを分けるのはダメ、ってこと。

Become a Better Agile Practitioner: Learn from other sources

Agileを推進していくのに役立ちそうな考え方の紹介。

印象に残った言葉

  • Dean Leffingwell: 「アプリケーションを書く人達が方式設計しろ」
  • Dean Leffingwell: 「方式でもめたらコードを書いて判断しろ」(机上の空論厳禁)

AON Center 80階

  • 夜はAON CenterのMid America Clubで懇親会に参加。
  • Jim Highsmith氏から色々話を聞けた。
  • 大学出て最初の仕事はアポロ計画の通信網構築。
  • 主記憶32kのメインフレームとの格闘だったそうな。
  • 今は4000人体制のAgile化を指導しているらしい。
  • Mid America Clubからの夜景

from 80th floor of AON center
from 80th floor of AON center
from 80th floor of AON center