金融システム開発終わりの始まり
Naked Capitalism経由FT: Hidden costs emerge from the debris of Lehman crash
- リーマン崩壊からほぼ一年。
- その債務処理にかかる費用が当初の予想を大きく越えそうだ、という記事。
- 理由はいつものあれだよ。
- そう、システム保守にかかる費用が見積もりを大きく越えてしまったらしい。
- 理由は簡単。リーマンで働いていたシステム開発要員達がごっそり消えてしまった(evaporated)から。
- 破綻後に採用された人達は「仕様書がないからわからない〜」という、いつものアレで仕事が進まない、と。
雑感
- 金融のフロント周りって、トレーダーと開発者が渾然一体となって、どっかんどっかん開発を進めることが多い。
- Agileの一派であるXPを推進してきた人達は、金融フロント開発出身が珍しくない。
- 高い利益を上げるトレーダーに、高い利益を生む開発者。
- この体制はちゃんと回る。
- 止まらない限り、ね。
- でも、一度止まってしまうと...
- 知識の断絶が起きる。
- 後を継ぐ人たちは、どんな業務があって、どんなコードが走っていたのかを掴むことは簡単ではない。
- こういう状況を見て、「仕様書等をきっちり整備せよ」と経営層や監督省庁が叫びだすのはわからないことではない。
- でも、足回りの軽さが重要視される金融フロント周りで管理監査が強化されちゃうと...金融業界は稼ぎ頭を失うことにならないかね?
- まあ、それも悪い話ではない。Too Big Too Failな連中が減るのは良いことだ。
- 若者達は、間違っても金融業界のシステム部門なんかに就職しないように。