The Kyoto Conspiracy (Gore, Enron, Carbon Trading, Global Warming)

FreeRepublic: The Kyoto Conspiracy (Gore, Enron, Carbon Trading, Global Warming)

  • 例によって適当翻訳。長いよ。
  • COP15がどういう合意になるかはわからないけど、二酸化炭素排出規制という考えがどういう背景で生まれてきたか、というのを調べる価値はあると思った。
  • 他のも時間があるときに調べていく。
  • 長いので末尾に要点をまとめたよ。

2007年4月6日

ここニュージーランド地球温暖化京都議定書遵守のための義務について聞かない日はない。だが、京都議定書は腐敗した国際エネルギー企業が、環境保護の名のもとに一稼ぎしようとして考え出したものだ、ということに気づいている人は少ない。


京都議定書が産み出すで「あろう」利点についてはいろいろ語られているが、京都議定書が生まれた背景には数多くの大企業が絡んでいたことはもう忘れられたのだろう。詐欺、収賄、価格操作、インサイダー取引等々でエンロンは2001年に消滅し、その名前が報道されることもなくなった。だが、エンロンがなかったら、京都議定書もなかったのである。


20年ほど前、エンロンは米国内の天然ガスパイプラインを保有運用する企業であった。それが、天然ガス、電力、インターネットの帯域等々の先物デリバティブ取引で日々何十億ドルと動かすコモディティ取引業者に変身したのであった。1990年にEPA環境保護庁が改正承認した大気浄化法により、化石燃料を使用する工場における汚染排出物の上限が設定された。1990年代前半、EPAの定めた年間200億ドル上限の二酸化硫黄排出権取引市場の創設を助けたのはエンロンであったし、自身も大手の取引業者となった。この二酸化硫黄排出権取引こそ、後の二酸化炭素排出権市場のさきがけとなったわけである。そして排出権というコモディティ取引が、エンロンの株価を急激に押し上げたのだ。


次に来るものは明白であった。二酸化炭素の総量制限取引である。問題は、二酸化炭素が汚染物質ではない、ということであり、EPA環境保護庁はその総量を規制出来る立場にはなかった。アル・ゴアは1993年にホワイトハウス入りするとともに、唐突に国際環境の規制をするようになった。アル・ゴアと米国主導で、世界各国の新プロジェクトが精査され、どの国がどれくらいの二酸化炭素を削減するべきかという「枠」を発行し始めた。この二酸化炭素排出枠を取引するという仕組みは、汚染ガスの排出権で儲けてきたエンロンがまさに欲しかったものである。エンロンは、環境保護庁が二酸化炭素を規制できるよう、クリントン政権と下院に対し積極的に政治活動を行った。


1994年から1996年にかけ、エンロン財団は99万ドルをNature Conservancyに寄贈している。Nature Conservancyは地球温暖化理論を宣伝するClimate Change Projectを推進していた。エンロンは慈善活動を通じて、地球温暖化を「抑える」活動をしている環境団体達に、150万ドル近い資金をばらまいてきた。エンロン経営陣はクリントン政権に接近し、気象科学を元にしたデマを流すことを支援した。エンロン京都議定書が多大な収益につながると信じていたのである。問題を世界が認識すれば、解決策も編み出されるという戦略だった。


リーバーマン上院議員の環境委員会で働いたことのあるChristopher Hornerという法律家がエンロンに雇われた。Horner氏は連邦政府との交渉を指揮した。Horner氏がエンロンに雇われたのは1997年で、京都議定書の原案が作成される以前のことである。同氏によれば、エンロン採用二日後に「最優先目標」が言い渡された。それは、二酸化炭素の排出を抑える一方で、排出権の取引はみとめるという国際協定を手にいれること、であった。


エンロンはロシアのGazpromを操って世界最大の天然ガス産出所を抑えていた。エンロンは石炭取引でも多額の利益をあげていた。だがエンロンは、やがて石炭部門の収益が減り、それは他部門の収益増加ではまかない切れないことにも気づいていた。先読みに長けたエンロンは、世界最大の風力発電会社GE WindをGEグループから買い上げた。さらにAmoco(今はBP British Petroleum配下)と共に世界最大の太陽光発電所も保有した。その上でエンロンは、地球温暖化の誇大広告に大してならなんでも投資をするようになった。科学者への支援も惜しまなかった。ただし、化石燃料消費を通じた二酸化炭素排出は人類の責任であるという、エンロンに都合の良い「証明」を出すことを引換として要求した。


バプティストと密造酒」という表現は、禁酒法時代に生まれた。禁酒法時代には、酒の密造者とその販売者がぼろ儲けできた。その中の一人にJoseph Kennedyという男がいて、その次男坊Johnは1961年にアメリカの大統領になった。酒の密造業者は、アルコールが社会を堕落させると主張するバプティストや絶対禁酒主義者と手を組み、禁酒法が長続きするように工作した。バプティスト達が政治的な口実を作り、密造業者達が収益を手にいれたのである。表向きには、バプティストと密造業者は無関係を装った。エンロンはどうだろう。バプティスト〜密造酒関係の真ん中にいることは確かであるが、(排出権取引における)巨人的存在になるには、京都議定書が、米国をはじめとする世界各国の法律として実現される必要があった。エンロンCEOのKen Layは、京都議定書後には石炭が衰退し、エンロンの主力商品である天然ガスが多額の利益をもたらす事を予想していた。さらに国際的な二酸化炭素排出権の取引は、エンロンが想像できないくらいの利益をもたらすこともわかっていた。だが二酸化炭素排出権取引は、世界各国政府、とりわけ米国政府が、二酸化炭素排出量削減を政治的に強制しないことには成り立たないこともわかっていた。


京都議定書制定への動きが進むにつれ、エンロングリーンピースを含んだ環境保護団体と連携する必要がでてきた。1998年、エンロンCEO Ken Layを筆頭とする大物達がクリントンに出した所管には、地球温暖化が馬鹿げた話とする科学者たちの評判と信頼をおとしめる要望が記載されていた。こういった科学者たちはエンロンの野望に邪魔だからである。同年9月1日付けのその書簡では大統領に、地球温暖化に関する科学的議論を中止するよう要望している。現実はこの議論は未だにつづいているのだが... 特筆したいのは、この書簡においてクリントン大統領に対し、地球温暖化に関する政治的議論を超党派グループのBlue Ribbon Commissionに委ねるよう要望していることである。この超党派グループの目的は明白であった。反体制派科学者の粛清である。粛清の実行は簡単なことであった。最近発行されたScientific Americanをみればすぐわかることである。Bjorn Lomborgがボコボコにされている。Bjorn Lomborgは地球温暖化が誇張された話であることを明らかにしたThe Skeptic Environmentalistという本を出版するような大胆な人であった。「Global Warming? What a load of old Poppycock. (地球温暖化? なんという戯言を)」を出版した有力環境保護者David Bellamyも、干されてしまった。月が潮の満ち引きと無関係であることを証言させられたガリレオのように、David J. Bellamyも地球温暖化に対する主張を変えさせられてしまった。


エンロン地球温暖化に関する研究を外部委託していた。だがその結論はエンロンが黙らせたかった科学者達の合意と大差ないものとなってしまった。「気象変動に関する警告をしても、誤報になる可能性がある。人類の活動による気温上昇は世間で広く信じられているよりは遥かに小さい可能性がある」というのが最終結論だった。エンロン温暖化研究の主要コンサルタントの一人に、NASA科学者James Hansenがいた。彼こそ、1988年の下院証言で地球温暖化という混乱を引き起こした張本人である。そのJames Hansenが最近Proceedings of the National Academy of Sciencesに寄稿した論文では、向こう50年の気温変動を予測しているが、それはエンロンが黙らせたかった科学者達の結論とまったく同じものであった。エンロンが嫌った科学者達は、NASAの10年先を行っていたのである。


エンロンは自ら立てた計画通り、自身の発見を公開することはなかった。一方でブッシュ政権に対し、二酸化炭素排出制限を進めるよう嘆願を続けた。この嘆願はエンロンなき今も続いている。エンロンの残存部隊は地球温暖化に絡めた規制に、藁をもすがる思いを持っているのである。アメリカで環境保護運動を続ける連中も、このエンロン残存部隊から資金を得ている。2004年7月7日、エンロンCEOであったKenneth Layは連邦大陪審で有罪を宣告される。


ブッシュ大統領はフロリダにおける数百票差でアル・ゴア候補を破ったことは有名である。だが、ウエスト・バージニア州アル・ゴアに勝っていることはあまり知られていない。同州は本来は民主党支持基盤が多いのだが、石炭業界が京都議定書に否定的だったブッシュ指示に回ったのだ。ウエスト・バージニアがブッシュ支持をしなかったら、フロリダでの票数数え直しは無意味だったのである。


オハイオ石炭協会および米国石炭連盟会長のMike Caryは「エンロンは温暖化ビジネスで多額の利益を上げようとしていた」と証言する。破綻したエンロンを調査していく過程で、共和党と米国企業の中に京都議定書を働きかけた「バプティスト・密造酒業者」関係が明らかになっていくであろう。京都議定書のとおりになったら、石炭発電所天然ガス発電所よりも何十億ドルも余分な出費を強いられた可能性がある。結果として、石炭発電所を閉鎖し、より原価の高い天然ガス発電や他の発電に切り替えてくる事業者もでてきたことであろうし、天然ガス価格を押し上げることになったはずだ。エンロンや、Clean Power Groupと呼ばっれるEl Paso Corp、NiSource、Trigen Energy、あるいはCalpineらは排出権を売付ける一方で、天然ガスの価格を釣り上げて利益を伸ばせたはずだ。仮に京都議定書が完全に実行されたら、アメリカは年間1000億ドルから4000億ドルを失うという推定もある。これは一世帯あたり年間6000ドルに相当する。排出規制を実現するだけで、エネルギー企業は莫大な利益を懐に入れることができるのである。年間4000億ドルという額を見ると、破綻したエンロンが一時計上した60億ドルの損失がかわいく見えてくる。なんでこのような政策をアメリ有権者ブッシュ政権も反対しないのか不思議でならない。


ここニュージーランドでは、労働党政権が京都議定書への合意を余儀なくされた。これは連合党の崩壊により、労働党が政権を維持するには緑の党と組むしか手がなかったからだ。緑の党の支持を得る代償が、GE法(訳注: 遺伝子工学に関する法律らしい)と京都議定書への同意だった。労働党にとってGE法は見返りの無いものであった。だが、二酸化炭素排出権取引ゲームは歳入増加につながるように映った。森に囲まれたニュージーランド二酸化炭素を固定化できるので、収入になると読んだのである。だが、エンロンの破綻と共に、京都議定書も経済を崩壊させ、参加してしまった政府や企業の脚をひっぱることになった。エンロンは贈賄、偽情報流布、エネルギー価格操作、政治家を通したエネルギー政策への干渉などの泥沼の中で崩壊した。京都議定書に関連する儲け話は、失敗に終わることであろう。真実半分詐欺半分のスキームは、結局は崩壊せざるをえないのだ。ニュージーランドが抱えてしまった5億ドルの負債は序の口に過ぎない。2002年、ヘレンクラーク首相は「温暖化は地球全体の問題だ。京都議定書は温暖化に対する世界各国の回答であり、ニュージーランドも参加する」と宣言した。


これは地球温暖化に疑いを持っているエンロンの内部レポートと対照的な話である。クラーク首相が、エンロン内部での温暖化の扱いを把握していたとは思えない。西側各国経済は騙されやすく、巨大企業にしっぽのように振り回され、EU政府を排出権取引のために説得するというあたりに問題の本質がある。ニュージーランドでは地球温暖化そのものが真面目に研究されることすらなかった。温暖化に対する唯一の研究機関は環境庁配下に置かれた気象変動事務所であり、予算は水産庁と公益科学技術基金から捻出されたのである。


寄せ集めからなる研究機関に政府の環境政策だけを研究させる。予算策定についての議論や、温暖化研究成果に関する説明責任を監査する主体の設置や、政府発行メディアに関するバランスの議論など一切なかった。外を見てみよう。何か大災害が起きているかい?海面は上昇しているかい? メタンの雲はあるかい? なんで空気よりも重い排気ガスが上空6〜8マイルまで登って天候に影響を与えられるのか、誰かわかりやすく説明してくれないか?


やけっぱちのヒステリー的な声が増えているにも関わらず、この偏執狂的な宗教が世界に根付くことはなさそうである。1992年のリオ会議以来、環境保護屋達は温暖化という圧力をかけ、私たちにプロテスタント的罪の意識を植え付け、成長を抑制し、生活水準を変え、自動車や産業、そして大悪魔アメリカを攻撃する活動を続けてきた。環境屋に勝ち目はない。地球を救えるのは自分たちの仕事だ、なんて信じているのは小学校の児童くらいしかいないよ。そして地球なんて別に救わなくても過去40億年存在したわけだ。今こそ事実を認識する時だ。地球温暖化が環境を脅かすなんて言う可能性なんてほとんどない。だが、環境保護屋の失敗が与える影響は小さくない。G8会議では気象変動に関する議論が行われたが、グレンイーグルズ会議宣言では、途上国は自国の成長を犠牲にしてまで温暖化宗教を受け入れる考えがないことが明らかになった。Independent紙の環境担当記者Michael McCarthy氏の言葉を引用しておく: グリーンピースFoEWWFなどの環境保護団体がアメリカのせいで台無しになったとする課題は、これらの環境団体の課題であって英国政府の課題ではない。


温暖化ガスに対して排出制限をかけるという考えは、G8会議において技術革新と想像上の開発とに置き換えられてしまった。京都議定書は死んだのである。


参考(訳注: 原文はリンクURLのみだった)

追記: 要点