アメリカの医療保険制度
要旨: ややこしい
形態での分類 HMO vs PPO
HMO=Health Maintenance Organizations
- HMOに加入すると、まずPrimary Care Physicianを選択することになる。
- 基本的には、このPrimary Care Physicianの問診を経てから、本格的な診察を受けることになる。
- 自分の場合、なぜか「リウマチ」専門のPrimaryがあてがわれた。熱があろうが、自転車でコケて怪我しようが、アレルギー喘息がきつかろうが、まずはこの先生の診断を受けないと、担当医の紹介がもらえないのである。
- 当然の帰結かもしれないが、一回目問診から専門医に見てもらう迄の間は薬で症状を抑えるだけ、となる。そして多くの薬は薬局で処方箋なしに買える。アメリカ人がなにかにつけて対症療法的な行動をとる傾向が強いのは、このあたりにも原因があるのかもしれない。
- もちろん、例外はある。救急時はPrimaryの判断を仰ぐ必要はない。また、病院側がPrimaryを通さずに専門医を紹介する準救急受付を用意している場合もある。ただし受付で待たされる事多し。
PPO=Preferred Provider Organizations
- PPOは、HMOのようなPrimary制度がない。よって、いつでも専門医に診てもらえる。
- 一般的にはPPOのほうがHMOより高い、とされているが、実はそれほど単純でもない(後述)
仲間か否か In-Network vs Out-Of-network
- HMOにしてもPPOにしても、それらの保険が使える病院(In-Network)と使えない病院(Out-of-Network)とがある。
- ややこしいことに、Out-of-networkの場合、「全額自己負担」となる保険もあれば、「保険会社負担」となる保険もある。
- 自分は一昨年救急車で運ばれた病院がOut-of-networkで非常に焦ったが、結果としてはHMO保険会社が全額負担してくれた。よくわからん。
- 自分が(というか、勤務先が)加入しているのはHMO。かつて、東海岸にしかネットワークがないPPOに加入していた時代があったが、そのPPOは非ネットワークでの通院を気前よく払ってくれた。よくわからん。
適用可能範囲
- 保険が適用されない病気・治療がある。
- 出産には適用されない、という場合あり。
- 眼科には適用されないか、保険上限が低い、ということもあり。
- 既往症には適用されないとか、既往症がある人は保険に加入させてもらえない、ということもあり。オバマ改革はこの制限を撤廃しようとしたのだが...保険会社の抵抗にあっている。
支払いでの分類 Copayment, Dedictible, HSA
- Copayment(Copay)は、通院治療の都度一定額を負担すればよい、という仕組。一回$20とか。
- Dedictibleは年間一定額までの治療は自己負担となる、というもの。車の対物保険の免責みたいなもの。掛金はCopayより安くなる。
- HSA(Health Saving Account)は、Desictibleと似ている。自己負担分用に用意しておく預金口座が税控除対象になる、という点でちょっとだけDedictibleよりお得。
CopayにしてもDedictible/HSAにしても、自己負担分を減らせば月々の掛金は高くなる。また、同じ商品であっても加入者の年齢によって掛金は変わってくる。
保険加入の際は上記全ての要素と、自分の収入、健康度合い等などを考慮して、最適な選択肢をさがすということになる。携帯電話の料金体系より遥かにややこしい。
最大の謎
- 最大の謎は、こういう料金体系がどうやって決められているのか加入者には全く見えないことである。
- 我が家は46歳♂と36歳♀だが、この組み合わせで
- HMO/Copay額$20/出産適用に加入すると、月額$750程度。
- 年間$1500(個人)/$3000(世帯)まで自己負担のDedictible/出産適用だと、月額$470程度。
- 年間$1500(個人)/$3000(世帯)まで自己負担のHSA/出産適用だと、月額$450程度。