ギリシャ/EMU圏に見る「リスク管理」

ギリシャというか、ユーロ通貨圏の問題はその成立時より色々言われていたのだろうけど、物事が調子よく進んでいる間は誰もそういう問題には手をつけず、やがて問題が顕在化する時には既に手遅れで、為政者達は問題を先送りさせるしか手がない、といういつもの繰り返しになるのだろうなぁ。でも、今回「先送り」は可能なのだろうか? 待った無しなら、次に顕在化するのはどういう状態なのだろうか。

ユーロ通貨同盟成立と同じくらいに歴史的な事件を我々は目撃しているのかもしれない。

  • ボタンの掛け違いには目をつぶり、潜在的問題を抱えたまま開始。
  • だけど、まずは良い面がでてくるので潜在的問題は誰も気にしなくなる。
  • やがて綻びが見えてくるが、政治的しがらみがあるので根本的解決には踏み切れない。そもそも根本的解決とは自己否定(EMU否定)につながるから、誰も議論できない。
  • こうして時間だけが過ぎて行き、一部顕在化した問題は水面下でどんどん拡大する。
  • 水面下で拡大した問題が顕在化し、もう待った無しの状態に近づいていることがわかる。
  • 時間がないのに抜本的解決に踏み切れるわけがない。
  • 実際、出てくる対策といったら「財政健全化」「追加融資」だけだし。
  • あとはハードランディングしか選択肢は残っていない。

関連記事

  • 2008年4月21日Forbes記事: The Demise of the Euro
    • 1EUR=$1.59だった頃の記事。反インフレ主義のゲルマン圏と成長指向のラテン圏との対立は解消できず、「ユーロ通貨同盟は3年以内に終焉を迎えるだろう」と予測している。
    • 記事から2年経っているね。
  • 2010年4月30日FT紙(Roubini): The crisis will spread without a Plan B
    • Plan A=ギリシャの財政健全化+追加融資で安定化を待つ
    • Plan B=ギリシャ債務整理に踏み切る
    • Plan Bにできるだけ早く移行することが望まれているのだけど、たぶんそれは政治的しがらみが許さず、このままPlan-Aにしがみついたまま問題が拡大するだけなんだろうなぁ、というRoubiniの読み。

パパンドレウ政権は、融資を正式決定する7日のユーロ圏諸国緊急首脳会議に間に合わせるため、緊縮策関連法案の6日中の可決を目指している。

    • 問題を先送りしたツケが回ってくるんですかね。
    • しかし、なんかの会議に間に合わせるためにやっつけで作った案を押し通すなんて...仕事ではよく見てきた光景だわな(笑
    • 良い方に転がった試しが無い...