安全保障をクラウド論に持ち出す人

  • まあ例えば角川氏がそうなんだけどさ。
  • アプリケーションやデータを海外のデータセンターに置いたら、「なにか起きたときに」困るんじゃないの? だから日本のクラウドは日本国内に置くべきだ、という説。
  • その「なにか起きたとき」というのは例えばデータ漏洩とか、データセンターを人質に取られちゃうような事態が想定されているらしい。
  • で、これらの問題はそのクラウドが海外にあろうが国内にあろうが関係ないよね。
  • 漏洩しないようにcrypt_fs導入するとか、Crypto.Cipher使うとか、防衛策はあるし。
  • 仮に漏洩した時の法的対応が困るという説もあるけど、じゃあIT産業って日本国内で鎖国できたんだっけ? とか日本国内で閉じれば対応は簡単になるんだっけ? とかいう疑問は残る。
  • データを人質にとって日本を困らせてやろうという海外クラウド業者が出現したらそれは確かに困る。
  • でもクラウドだからこそ、他国の別センターにCold Standby系を安く用意しておくことも可能でしょ。相互運用性保証とかの課題はあるけどさ。
  • そもそも、そんな脅しをかけてくるようなことってあるのかね?
  • 仮にあったとしたら、粛々と法的に争えばいいのでは?
  • 結局そこにあるのは契約の問題であり、その契約の裏付けとなる法律や商習慣の問題なわけですよ。
  • で、これは国境を越えて商売をする人達は苦労しながらも当然越えなければならない壁であり、その壁を越えるのが嫌だから鎖国政策取ろうというのは保護主義以外のなにものでもないわけで。
  • そして保護主義は非効率を許容する。
  • 非効率なクラウドは、利用者にはなんの利益も生まない。
  • もちろん、私は日の丸パブリッククラウドを否定するものではない。
  • 日本国内にあるほうが、ネットワーク遅延を小さくすることができる。
  • だとしても、その日の丸クラウドは海外系クラウドと真っ向から価格勝負すべきだと信じている。
  • クラウドは効率化が命。
  • 競争こそが効率化を生む唯一の環境。