非実在老人と年金とお役所の仕事
未だに戸籍上では生きている江戸時代の人が「発見」されて騒ぎになってるけどさ。あれでお役所の仕事を責めるのは酷だと思うんだよね。死亡届は残念ながら本人は提出できない。遺族が出すことになるのだろうけど、その遺族がなんらかの理由で散り散りになっていればそれも無理。戸籍の管理は届出というきっかけがないと始まらないのであるから、死亡フラグが立たないエンティティが存在するのは「戸籍システムの仕様です」ということになる。
ただし、年金を受け取っていたとなると話は変わってくる。死んだら本人は受け取れないのであるから。遺族が年金受給権者死亡届を提出しない限りは年金を詐取していることになる。犯罪だよこれは。ただしこの状態であっても、お役所を責めるのは酷であろう。受給者が生きているかガサ入れするには捜査令状が必要。それには少なくとも「あそこの受給者は死んでいるらしい」という証拠ないしは有力な証言が必要になる。「おたくのお父さんがまだ生きてるかどうか確認しにきました令状なしで今から家に突入するよ」なんていう社会になるのは非常に面白くないので、お役所トリガで死亡確認できないというのは仕様、とするしかない。
こまけーことはいいんだよ
1億件以上のデータを人間が台帳管理しているんだから。しかもキーはなし。ある台帳のデータ消したら関連する台帳のエントリにも削除フラグがつく、なんていうことはない。まあ、全国で見たら不整合は相当数あるんだろうね。
そういう状態なので、年金の不正受給も結構な件数は発生しているのではなかろうか。
でもね、それは「些細な話」だと思うのよ。
そもそもの年金制度が巨大なポン酢スキームであることを我々は忘れてはならない。