踏み倒せ

Robo-Signingに端を発したMortgage-GateないしはForeclosure-Fraud事件。なぜかクルーグマン御大がNYTのBlogで取り上げている。

Now an awful truth is becoming apparent: In many cases, the documentation doesn’t exist. In the frenzy of the bubble, much home lending was undertaken by fly-by-night companies trying to generate as much volume as possible. These loans were sold off to mortgage “trusts,” which, in turn, sliced and diced them into mortgage-backed securities. The trusts were legally required to obtain and hold the mortgage notes that specified the borrowers’ obligations. But it’s now apparent that such niceties were frequently neglected. And this means that many of the foreclosures now taking place are, in fact, illegal.

→Foreclosureは住宅ローンを返済しなかった債務者から住宅を取り上げる手続きなわけだが、そのForeclosureを行えるのは「Notes(借用書)」を持っている人ないしは団体のみ。だが、その借用書がどこかに行ってしまったために「なくしました」という供述宣誓書を偽造したり宣誓書への署名を偽造したりする事例が多発した、というのが今度の騒動の背景。

金を借りておいて返さないというのはよろしいこととは思えないが、正当な債権者がいないのであれば返す必要もなかろう。というか、誰に返せというのだろう?

「住宅ローンの借用書を誰が持っているのか」という問い合わせが金融機関に殺到するのではなかろうか。そして、それに対するきちんとした回答が得られない場合、住宅ローン借手は大手を振って返済を止めるのではないか。

これは21世紀の一揆である。

ローンを返済しても...

こんな記事を見つけた。SFGate 2009年2月記事: House is paid off, now where's my note
Q: ローンを払い終わったので金融機関に対して借用書を返済するよう問い合せましたが「書類は全て返却した」という回答だけで、借用書はもどってきません。どうしたらいいですかね?

A: たとえ返済が終わったとしても、その借用書を第三者が入手して債権回収を試みる可能性があります。あなたがが過去の返済を証明できれば債権回収業者に勝てますが色々と面倒なので、ローンを組んだ金融機関や州の司法当局、さらには米連邦取引委員会に書面で問い合わせをするべきでしょう。

→カリフォルニアは裁判を通さずにForeclosureできるので問題が表面化していないが、やはり不当な手続きでForeclosureしたり、それを転売した事例は相当あるのではなかろうか。