iPadを絶賛していた人達はなんだったんだ?
というわけで某社の提供でiPad 3G/32GBを入手した。今日で5日目だが、普段使うアプリケーションはiPodとKindle for iPadに集約されつつある。家ではMacBook Proがあるし、移動中はG2使えばほとんど用は足りる。
個別のアプリケーションではiPadのほうが圧倒的に素晴らしい。UIはよくできている。Flipboardなんてのは最高にしびれた。*1 Kindle for iPadも、画面に反射する天井の光さえ気にしなければオリジナルKindleを凌駕した出来ではなかろうか。*2
だけど、そうやって褒められるのは「アプリケーションを通して情報を受け入れて、そこでおしまい」という人達だけだと思うんよ。
WSJ
WSJのiPadアプリケーションで面白い記事を見つけた。是非これをTwitterでみんなに教えたい。こんな時にどうすればよいか?
- ToolsメニューからEmail Articleを選択
- でてくる電子メール編集画面にある記事URLをSelect→Copy
- Twitterアプリケーションを起動
- 投稿フォームをだして、(2)のURLを貼りつけ
- 説明文を書いて、投稿
- 投稿が終わったらWSJアプリに戻る。しかもさっき読んでいた記事の画面には戻れない。
うん。できないことはない。だけど「記事URL取り出すために電子メール投稿フォームを出す」とか「その投稿フォームで必要なのは記事URLだけ」だとか「TwitterアプリからWSJアプリに戻ったら、また一面を読まされる」とか、どう考えても洗練されてないんだよね。
BBC News
こちらは多少考えられていて、記事を「メールする」「Facebookに紹介する」「Twitterに紹介する」というメニューがある。FacebookはF-Connectで認証できる。Twitterは...あー、ID/Password入力ですか。ま、いいか。
でもね、BBC Newsで気に入った記事があってもDeliciousやみんなの大好きなはてなブックマークに残しておくのはまたまた面倒なんだよね。
フラグメンテーション
このiPadはiOS 4ではないから、アプリケーション切り替え毎に初期画面に戻ってしまうのはまあ良しとしよう。でも「今読んでいる情報を共有する」という基本的な行為がアプリケーション単位でバラバラに実装されている、というのは「情報を取り入れて、記録するあるいは発信する」という使い手の存在を考慮していないOSだ、と断言しても良いのではなかろうか。結果、アプリケーション間の情報共有フィーチャ(not データ共有)の実装がアプリケーション毎にバラバラになっておる。Steve Jobsが嫌う「フラグメンテーション」とは、まさにiPadアプリケーション達が置かれた状況ではないのかね。
そして「iPadあれば他に何もいらない」とか言ってた連中。ありゃなんだったんだ? Android端末とくらべたら、iPadは「情報共有・発信における手順の複雑さ不便さを利用者に押し付ける不良品」じゃん。本当は使い倒しもせずに「いいねーこれいいねー」と叫んでいただけなんじゃねーかと思うよ。まじで。