Foreclosureに「追い込む」金融機関
無茶なローンを組んだ人は論外としても、些細な理由で延滞になってしまう可能性は誰でも持っている。単に支払日を忘れていたとか、郵便が遅れたとか*1、銀行側での小切手処理が遅れたとか。そういう延滞がきっかけで債務が雪だるま式に増えてForeclosureに追い込まれる人も相当いるらしい。
Naked Capitalism: Servicer-Driven Foreclosures: The Perfect Crime?
→Yves SmithがForeclosure専門弁護士に半年間取材をしてきた途中報告。
One thing they stress is that a significant number of their clients facing foreclosure has made every single mortgage payment. .
これら弁護士に頼っている人達の多くは、住宅ローンを毎月返済している。にも関わらずForeclosureに追い込まれるわけである。そこにはカラクリがあって、
- 冒頭に紹介したような理由で延滞が発生する。延滞手数料$75を翌月に払う必要がある。
- だが、返済している側は延滞したことなど知る由もない。翌月も通常に送金する。
- 本来なら元本・利息が優先されるが、銀行は手数料を先に取ってしまう。*2 従って、今度は$75ショートであり、やはり延滞扱いとなる。
- 二ヶ月連続延滞だと、今度はBPOなる処理が走る。この手数料は$250。
- 翌月はそれまでの延滞手数料やらBPO手数料やらそれらの金利やらがかかる。
- だが、借手がそれに気づかないでいるとあっという間に債務は数千ドル単位に膨らみ、Foreclosureのお知らせが...→で、Foreclosure弁護士に泣きつく、と。なので「毎月返済しているのにForeclosure」というわけ。
住宅バブル崩壊前もこういう状況は存在していたが、当時はHELOCなどで借り入れて住宅ローン返済に回してしのぐことができた。*3 今はそのようなバッファはない。Foreclosure弁護士が金融機関側に対して返済記録の開示などを求めても中々応じてくれないらしい。