ランス・アームストロング包囲網
Sports Illustratedにランス・アームストロングのドーピング疑惑続報がでてますよ、というお話。
SI reports new information in the case against Lance Armstrong
現在、ランス・アームストロングは連邦大陪審(federal grand jury)による調査対象である。調査を指揮してるのは、米国食品医薬品局(FDA)のJeff Novitzky氏。MLBのバリー・ボンズや、陸上のマリオン・ジョーンズを調査した人。連邦レベルでの調査が行わているのは、ランス・アームストロングがUS Postalがスポンサーするチーム(US Postal)でレースしていた間に組織的なドーピングに関わった可能性があるため。これらの調査関係者への聞き取りや、調査書類をもとにSports IllustratedのSelena RobertsおよびDavid Epsteinが記事を作成。以下、抜粋。
- 1990年代後半、ランス・アームストロングはBaxter社が試験中の薬品HemAssistを使用した可能性がある。HemAssistはEPOのような働きがあり、かつ、EPOほど危険ではないという。当然、ランス・アームストロング側はこれを否定。
- USPS時代、ランス・アームストロングらはプライベートジェットでの移動を多用した。プライベートジェットでは税関での検査が甘いため。だが、2003年にスペインに飛んだ際、ランス・アームストロングのかばんが検査され、薬品や注射器が発見されてしまう。ランス側はビタミン剤と主張し、なんとかしのぐ。
- 昨年11月、ポポビッチ宅を家宅操作したイタリア当局は、ドーピング薬品や書類、そしてイタリアのドーピング医師Michele Ferrariがランス・アームストロングらのチームとやり取りしていた電子メールを押収している。ランス・アームストロングは2004年以降、同医師とは絶縁状態にあると主張している。
- ランス・アームストロングのtestosterone-epitestosterone比率は1990年代に3回異常値検出されている。ただしこれらはA検体のみで、B検体では陰性。
→Sports Illustratedの記事はおそらくここが一番強調される部分であろう。米国内で血液検査を担当したUCLA Labも、その上位管轄組織であるUSOC(オリンピック委員会)も、このテストステロン異常値を示したアスリート(注: 検査は選手名ではなく、検体番号で扱われる)に対する処分をしぶった、という経緯があるらしい。このアスリートがランス・アームストロングであることは確実なようだが、なぜ彼に対する検査が中途半端な状態で終わったのかもやがて明らかになるであろう。
一方のLandisは...
一連の疑惑を「捨て身」で告発したFloyd Landis。その彼は本日、プロ自転車選手からの引退を発表している。今日のSports Illustrated記事発表に合わせての動きらしい。
http://www.velonation.com/News/ID/7130/Floyd-Landis-retires-from-professional-cycling.aspx
Landisの相棒Beazedはとても喜んでいる!