新種のナイジェリアScam

古典的なSpamとして知られる「ナイジェリア・スパム」。あんなのに引っかかるのいるのかね、と思いたいネタのメールでも何百万、何千万という人に届けばそれなりに機能するらしい。

今回紹介するのはSpamではなくScam。一種の詐欺。

9News: Craigslist scam: Woman discovered people peeking in windows

→「売ります・買います・貸します」で有名なCraigs Listに「他人の家」を出展し、敷金(Security Deposit)をいただく詐欺。

売りに出ている家の一覧を入手するのはとても簡単。犯人たちはその一覧を元に、CraigsListに「For Rent(貸します)」を出稿。カモが問い合せてきたら「今、仕事の関係でナイジェリアにいる」とメールで回答し、物件は「適当なときに外から見てくれ」と言ってしのぐ。売り物件だが、そこに人が住んでいる可能性は排除できない。カモが物件を見に行ってそこに人が住んでいるのがわかったら「ああ引っかかるところだった」で済む。記事の「Woman discovered people peeking in windows」という題名はまさにその状況で、敷地内に不審者が入ってきて家の中を覗く、という事件が頻発しているらしい。

もし、カモが物件を「空き家」と勘違いしたら? 犯人たちは「ナイジェリアまで敷金を送ってくれたら、鍵を郵送する」と回答。当たり前だが、国際送金しても鍵は来ない。お金も当然戻ってこない。

FBI agents investigate internet crimes but have a hard time tracking down people in Nigeria because the country does not cooperate with U.S. Government criminal investigations.
"That may be one of the main reasons why they choose [Nigeria]," said FBI Special Agent Scott Schons.

FBIは一連の事件を捜査しているが、ナイジェリア政府が米国に非協力的なこともあって難航中。犯人たちがナイジェリアを選んだのも、そういう背景があるから、らしい。

Σ(売り物件数×For Rent広告だしてカモが目をつける確率×カモが物件を見に行ってそこが空き家と勘違いする確率×借りよう、と決断する確率×敷金) って意外と大きな数字ではないかと。