Herokuに感動&そして暗くなる

RailsConf 2008まとめ・企業編・簡易版で紹介したHerokuを使ってみた。

Herokuとは?

  • SaaSとして提供されるRails統合開発環境。提供されるのは以下の通り。ba
  • 利用者はブラウザさえあれば、Railsアプリケーションを開発できる。
  • Heroku自体はAmazon EC2上で動いている。
  • 完成したRailsアプリをEC2上にデプロイするのも簡単らしい(未確認)

アカウント入手方法

使ってみる

  • ブラウザからログインすると、自分用の管理画面が表示される。

  • CREATE APPボタンをクリックすると、railsプロジェクトが用意される。
  • あとは普通にRailsアプリケーションを開発すれば良い。

  • 画面右上の >> ボタンをクリックすれば、即アプリケーションが起動され、そのままブラウザから結果をみることができる。

  • どうやって実装したのかわからんが、コンソール画面もブラウザ内に表示される


感動

  • まだベータということで時々不自然な挙動を示すが、統合IDEとしてはよくできているのではなかろうか。
  • チームでプロジェクトを共有するのは、まだ試してない。近いうちにやってみたい。

Agile2006カンファレンスで、「近い将来、開発環境はWebブラウザだけで閉じるようになる」と予言していた人がいたけど、本当にそんな時代がきてしまった。

「開発や本番稼働に必要な資源はAmazon EC2みたいな所から借りて、開発者達はブラウザだけ用意すれば良い」というのは、新規プロジェクトの敷居をものすご〜く下げる事になる。ノートパソコンと常時接続回線さえあればいいわけだから。初期投資額は減るし、立ち上げ期間も大幅に短縮される。

「ネットカフェで起業!」ってのも現実味を帯びてくる。

さて、暗くなるか...

一方で、既存の旧体質システム開発企業はこうした動きに反発する事が予想される。Herokuみたいな新サービスを使わない理由(言い訳)を並べるのは、彼らからすれば極めて簡単な事であろう。連中、頭はいいから。石灰化してるけど。

  • 機密漏洩の可能性
  • 信頼性
  • なんかあったときの責任問題(そしてその「なんか」が何なのか、とか、発生する確率はどれくらいなのか、とかは決して述べない)

彼らにはこれまで投資してきた資産(設備・ソフト・人)を無駄にするわけにはいかないという切実な問題があるから[*1]、こういう新しい仕組を横目で見ながら、旧態依然としたやり方を維持していくという風景が続くのであろう。

そういう「縛り」のない若い企業がこの手の新しい仕組を使って、新しい発想をどんどん具現化していく一方で、おじさん達は「なんで若い人がSI屋にこないんだろう」と(石灰化した頭で)悩み続ける... なんか、そんな結末が見えてしまう。。先は暗いのぉ

追記

heroku APIとgitを使う事で、プロジェクトを自分の環境に持ってくる事ができるのね。便利。

git導入→せっかちな人のための git 入門 - git をインストールし、共同で開発できる環境を整えるまで
あとは

$ sudo gem install git
$ sudo gem install heroku

で準備完了。gitがherokuサーバと通信する際にsshの公開鍵が必要なので作ってない人は

$ ssh-keygen -t rsa

とでもやって準備しておく。

*1:良い機会だ、と古い設備に古いソフト、そして古い人を切れれば話は別。でも、そういう経営者が揃っていたら、今の日本のシステム開発現場はもっと変わっていたはず