原価上昇を製品に転嫁できない
Apple決算発表における質疑応答場面がSF Examinerに掲載されていた。Apple CFOの指摘をまとめると:
- 新しい会計基準への対応は非常に複雑だった。
- 12月期の粗利率40.9%は期待していたよりよかったが、3月期は39%まで下落するだろう。
粗利率下落は主に「DRAM市場の逼迫」が引き起こすとCFOは分析。その他の部品類も、在庫だぶつきによる価格下落はもう終わりと判断。
インフレか!?
これでインフレになると思ったら、あなたはケインズ主義に毒されている。原価上昇分を簡単に製品に転嫁できないから、Appleは粗利を削るしかないのだ。
いい製品・サービスを提供しているから、原材料価格下落局面でも製品価格を下げずに済んできた、というのは事実だろう。今回の好決算は会計基準変更による押し上げもあるが、部品メーカーの在庫一掃の恩恵を受けていた結果である。
今後、DRAMなどの部品市場逼迫が生じて粗利率が低下していくとしても、39%というのは、一年前の37%台よりはまだいい数字なのだ。あとはCFOの期待通り、39%で収まるかどうか、だろう。今回の40.9%は「期待より良かった」とCFO自身「読みが良い方に外れた」ことを認めているのだ。
借手不在
CR: MBA: Mortgage Applications Declineより
- Mortgage Application(住宅ローン借入/借換申し込み)件数はさらに低下。
- 前週比10.9%減(季節調整後比較)
- 「低金利であるにも関わらず、借換を希望し、その借換が認められる借手が少ない」
→借換希望しても、担保価格より債務が多すぎるような場合、借換は認められない。こういう人達は a) 残債務を背負うことを覚悟して、Short Saleで売る b) 返済を止めて、Foreclosureを選択する しか選択肢はない。
- CRはMorgage Application件数をこまめにチャート化している。
- 例の「初回購入者向け支援制度」で一旦件数は増加したが、結局は需要の先喰いでしかなかった、と。
→初回購入者の多くはFHA保証の3.5%頭金で借りているから、ちょっと相場が崩れるとすぐに債務超過となる。ここはなんとしても低価格帯市場をテコ入れしなければならないはず。