正直、焦った...

正月早々、重い話題。

久し振りに実家で正月を迎えるのを楽しみに日本に帰ったのだけど、大晦日に母親が病院に担ぎ込まれる事態となってしまった。原因は大量の鼻血。夜から朝にかけてずっと出血していたので大変なことになっていた。地元の病院は年末で受け付けてくれなかったので、県境を越えて板橋区まで運ばれることに。
母は3年前に軽い脳梗塞を起こしており、今回の事件では脳溢血とかクモ膜下出血の類を連想してしまった。来るものが来たかもと覚悟したのは事実。

病院では麻酔をかけた上で止血措置。[*1] その上で、CTスキャンなどの精密検査。結果は...異常なし。要はただの鼻血だったわけ。鼻からの出血だったので大量に見えたが、出血量はたいしたものではなく輸血も不要とのことで、父親の車で家に連れて帰る。

問題はその鼻血がなぜ止まらなかったか、ということ。

医者の説明によれば、原因は3年前の脳梗塞以来処方されていた血液凝固防止薬。商品名ワーファリン。この薬は投与する量を決めるのが難しいらしく、本来なら定期的に血液検査を行い、投与量を医師が制御する必要がある。が、母の通っていた病院では3年前から同じ量を処方しっぱなし。定期的な血液検査もしていない。結果、ワーファリンの過剰投与になっていた可能性が高い。

もう一点信じられないのは、そのワーファリンを処方してくれた医者が、同時に精神安定剤も処方していたこと。ワーファリンを飲んでいると血が止まりにくくなるので、外で活発な活動をするのは危険を伴うようになる。そういうリスクを回避するために、精神安定剤を飲ませていたわけだ。わざわざ「うつ」状態にしていたようなものである。

以前の母親は活発で、老人会のパソコン教室の先生をしたり、パート先のスーパーでマネージャと喧嘩して辞めちゃったり、「さすが自分の母親」と思わせるものがあったが、例の脳梗塞後は「ひきこもり」同様の生活をしていた。自分はそれを脳梗塞の後遺症と信じていたが、実は薬の作用によるものだったとは...

どちらの薬も、今回診てくれた医師の指示により服用をただちに停止した。

明けて元日。母はまだフラフラした感じはあったが、起き上がって動けるようになっていた。なによりも、目の輝きが前日とは全然違っており、以前の明るさが戻ってきた感じがした。

親に処方された薬を家族が知る必要

今回痛感したのは、両親がどんな薬を飲んでいるかを自分が把握していなかったこと。血栓防止の薬を飲んでいることは漠然と知っていたが、その副作用などについては説明を聞くまで知らなかった。離れて住んでいるのでいちいち薬の袋をチェックするわけにもいかない。こういうのこそ、オンラインで調べられたら嬉しいのだが... ちなみに自分がPrimaryの病院として使っているPalo Alto Medical Foundationは、まさにそういうサービスを提供しており、家族の病歴、診断歴、処方歴などをオンラインでチェックできる。米国では他の病院も同様なはず。

でも日本でそれを望むのは無理だろうから、自分が出張する都度、病院で説明を聞くことになるんだろうなぁ... あー、めんどくさ。一人っ子は大変なり。

*1:大量の脱脂綿を鼻につめる。その綿は時間が経つと溶ける。すごいですなー。