格付け不能!

HousingWire: S&P Stops Rating Home Equity RMBS; Cites “Anamalous” Borrower Behavior

ホームエクイティローンとは

ここでも引用したけど、千葉銀行が解説してくれている。

 アメリカのように、不動産市場が好調で、自宅の評価額がどんどん上がり、住宅ローンの残高減少と相まって、正味価値が増えていくのなら、利用できる場面も増えます。しかしこれも、不動産市場がマイナス方向に動き出したら怖いですけど。(銀行は価値が下がった分を今すぐ返せとまでは言わないでしょうが)

恐れていた「不動産市場がマイナス方向に動き出す」事態が発生してしまったわけだ。

そして「銀行は価値が下がった分を今すぐ返せとまでは言わないでしょうが」というのは事実。そもそもホームエクイティローンは抵当権としては二番手。なので、「すぐ返せ」と言えないどころか、借手が破綻しても(ほぼ確実に)回収は不能。なのでS&Pも

Investment Dealers’ Digest, which interviewed S&P spokesperson Adam Tempkin, noted that S&P is seeing borrower behavior that Tempkin characterized as “anomolous and unprecendented” ― a reference to a growing number of borrowers simply walking away from their homes.

特異かつ前例のない借手の行動パターン...返済せずに、唐突に家を放棄しちゃう

と分析し、ホームエクイティローン証券化商品を「無価値」と判断したのであろう。

どれくらい貸しているのか?

ちょっと古いデータだけどFitchがレポートを公開している(PDF形式)。その9頁に、各金融機関のホームエクイティローン貸出額が掲載されている。

  • Bank of America...1172億ドル
  • Wells Fargo...840億ドル
  • JPMorgan...848億ドル
  • Countrywide...340億ドル
  • WaMu...310億ドル
  • 以下、略

今回、紙くず以下となるのはこれらの債権を証券化したRMBS。もちろん、証券化してない債権もほぼ無価値だろうけど。

信用危機はまだ序盤なんだってば

日経平均14000円回復で浮かれている場合ではない。