大恐慌が生み出した組織が、また大恐慌の引き金になる?
- Fannie Mae(連邦住宅金融抵当金庫)の株価がどど〜んと落ちつつある。
- チャートはFannie Maeの週足
Wikipediaによれば
- Fannie Maeは1938年にルーズベルト政権下での「ニューディール政策」の一環として設立
- 大恐慌で壊滅的な打撃を受けた住宅ローン市場に流動性を持たせるのが目的だった
- 1968年に民営化
Fannie Maeは、証券化された住宅ローンの債務保証を行う。つまり、Fannie発行の住宅ローン証券を購入した人には、その元となる住宅ローンの返済が滞っても、元本と利息が支払われる。
が、昨今の住宅市場崩壊で、住宅ローンの返済不能が急増している。この結果、債務保証が重荷となり、Fannie Maeは実質債務超過(Insolvent)ではないかという懸念が広がっている。
Bloomberg: Fannie, Freddie `Insolvent' After Losses, Poole Saysによれば、FRBのWilliam Poole氏もFannie Mae(と、兄弟分のFreddie Mac)の債務超過の可能性を認めている。
Fannie Mae等が保証する住宅ローンの金額は...5兆2000億ドル。そして、手元にある準備金は800億ドル。さらにFannieは8000億ドル、Freddieは6000億ドル以上の社債を発行して資金調達をしている。
住宅価格が5%下落しただけで、準備金は吹き飛ぶ。かといって、これ以上の資金調達に応じる投資家がいるとも思えない。つまり、政府が(というか、米国納税者が)税金で救うしか手はないであろう。
そのとき、米国国債の格付けはAAAを維持できるのであろうか?
追記: Mr. Mortgageも同じネタを書いていた
ソース:US Gov’t Considers Fannie/Freddie Takeover With No Debt Guaranty!
- Bloombergの記事を引用している。
- が、そのBloombergの記事はNYTの引用
- NYTの記事は、政府が(納税者が)Fannie/Freddieの全債務を保証することはないのでは、と読んでいる
- なぜなら、連邦政府レベルでの債務が一気に倍増するから
- ただし、政府が救済に入る時点でFannie/Freddieの株は紙くずになるのは確実
寝る前に一言
ちゃんと頭金20%入れて、30年固定でこつこつ返済していたような人なら救ってやってもいいかな、という気はする。
でも、値上り期待+住宅ローン利息の税控除を狙って家を購入し、結果としてForeclosureになってしまったような連中を助けたいとは思わないね。
あと、そういう人達に貸しまくっていた銀行。救済するのはいいけど、経営陣にはけじめをつけてもらいたい。腹を切れとはいわないけど、ロシアンルーレットくらいやってほしいぞ。