大英帝国による銀行救済

Minyanville: UK Embraces Moral Hazard(大英帝国モラルハザードを歓迎する)

  • 英国政府がRBSなどの銀行に公的資金を資本注入することが決定した。
  • 良いニュース?
  • 長期的にはそうではないかもしれない。
  • 英国政府は「£50億の優先株を購入し」「£100億の普通株を主幹事として引受け」る。
  • 政府としては、引受た普通株をできるだけ高く売る必要がある。主幹事は引受価格より高く株を売り抜けないと、儲からない。つまり、公的資金の無駄遣いにつながる。
  • 原文の例えを使うと「自身はファーストクラスに乗りながら、エコノミー席をできるだけ高く売りつける」ようなもの。

政府救済は市場原理が働かない

そもそも、なぜ政府が「主幹事」を引き受けるのか?答は簡単。民間が引き受けたくないから。なぜ民間は引き受けたくないのか?これも簡単。リスクが高すぎるから。そういう株を、英国政府は国民に押し付けようとしているわけだし、他の欧州各国も追随する模様。

Minyanvill元記事は次に引用する文で締めている。

While we may have seen a bottom last week, the bottom will come when governments buy bank common stock - not trying to turn a quick profit, but expecting to lose money.

先週末で株式市場は当面の底を打ったかもしれないが、本当の底は政府が銀行の普通株を放出価格より安く買い取る(損失を計上する)時にやってくるだろう。