住宅ローン金利低下で借換え申請急増→現実は...
日経: 米住宅ローン、申請件数が急増
米抵当銀行協会(MBA)が24日まとめた集計によると、米住宅ローンの週間の申請件数を示す指数は19日時点で1245.4と前週比48%上昇した。米連邦準備理事会(FRB)による金融緩和などを受けて住宅ローン金利が低下していることを反映した。前週と比べると新規借り入れが11%、借り換えが63%増えた。19日までの1週間の住宅ローン金利は30年固定型で5.04%。前週から0.14ポイント低く、2003年6月以来5年半ぶりの低水準となった。
ロイター: 米住宅価格、ローン借り換え急増で上向く可能性
ラーデンバーグ・ソルマンのアナリスト、リチャード・ボーブ氏は、米住宅価格について、住宅ローン金利低下を受けたローン申請増加を背景に借り換えが急増し、今後安定もしくは上昇する可能性が高い、との見方を示した。
現実は...そんなに甘くないようで。
Calculated Risk: Low Mortgage Rates, Few Qualify
- Miami Herald紙記事を引用している。
- フロリダ州では借換えを申請しても却下される借り手がほとんど、という現実。
- 金利が下がったのはFannie/Freddieの適格住宅ローン(Comforming Loan)と呼ばれる種類で、貸付条件が厳しい。
- 20 percent equity in the property(頭金20%以上)
- a homestead exemption(借手がその家に居住していることが必要)
- a credit score of 700 or higher(FICO 700以上の信用度)
- a mortgage debt-to-income ratio of no more than 45 percent(月々の返済額が月収の45%未満)
- the ability to fully document income and assets(収入および資産の証明書)
→債務超過(Underwater)となっている借り手は、今回の金利低下の恩恵を受けることができない。よって、ロイター記事にあるような「米住宅価格、ローン借り換え急増で上向く可能性」なんて結果にはつながりようがない。