仕組に凝り過ぎて事業機会を失っていないか?
CNN: Bank overdraft fees to total $38.5 billion
- 米国の銀行は、「Overdraft(残高不足)」手数料で、2009年になってから385億ドル(3兆6500億円)稼いだ。
- これは過去最高の勢い。
Overdraftとは?
- ご存知の通り、米国は「小切手」での決済が幅広く浸透している。
- 小切手=紙。
- 小切手≠即時決済。
- 即時決済ではないので、小切手を振り出す側は気をつけないと残高が最低値を下回る可能性がある。*1
- この最低残高を下回ると、銀行は「Overdraft対応費」を請求してくる。
- 自分も慣れない頃はやらかしてしまった。
手抜きシステムで収益機会 vs 手の凝ったシステムで機会損失
こうして考えるとアメリカの銀行ってすごい!
- まず、システムにかける金が少なくて済む。
- 勘定系がリアルタイムである必要がないんだもん。
- その上で、Overdraft費用を顧客に請求できる。
かたや日本は...
- 偏執的にリアルタイムポジション管理にこだわる=システムに金がかかる。
- 振込みシステムがトラブって送金が遅れたら銀行が叩かれる。
- Overdraft費用請求でおいしい思いをすることもできない。
真面目な話
- 上記記事によれば、これら385億ドルに及ぶOverdraft手数料の90%は、たった10%の顧客によって払われたという。
- おそらくは、生活がカツカツな人たち。
- そしてOverdraft費は、徐々に増額される。
- Chaseだと初犯(?)で$25。一年以内に再犯すると、$32。三度目は$35。
- 当たり前だけど、カツカツな状態でOverdraft費用払わされたら、さらにカツカツが進行する。
- 進行すれば、さらにOverdraft費を払わされることになる。
- やがては債務不履行につながって、銀行も損をすることになるのでは。
あまり関連しない話
*1:多くの銀行は最低残高を維持するよう規定を設けている