ない袖は振れないが、国民から絞りとることは可能:ギリシャ

Mish: Greece Outlaws Cash Transactions Above 1500 Euros, Unveils New Taxes→財政危機に喘ぐギリシャが今後とる対策のまとめ記事。(元記事はロイター)

  • (1) 2011年より、1500ユーロ(18万円くらい?)を越える現金取引は禁止される。Debit CardやCredit Card使え、と。
  • (2) 所得税40%課税点が、現在の年収7万ユーロから年収6万ユーロに引き下げられる。
  • (3) 所得税算出基準には、株式取引などの運用益も含まれるようになる。
  • (4) ギリシャ外での預金は、この法律が施行されてから半年以内にギリシャ内に送金し、5%の税金を払えば、以後監査対象としない。
  • (5) 国営企業の経営陣給与50%削減。

自分が注目したいのは(4)。こういう政策がでてくるということは、当局は資本逃避(キャピタルフライト)を強く意識している、ということだろう。「国内に戻したら監査は勘弁してやる」という事は、 海外に逃がしたら接収も辞さない、と脅しているに等しい。

そして(1)にも注意。捕捉しにくい現金取引から、捕捉しやすいカード取引への移行を促している。この先にあるのは預金引き出し凍結などの、事実上の国民資産接収ではなかろうか。

昨年のカリフォルニア州、そして昨今のギリシャ・スペイン・ポルトガル、そして我らが日本国等々、国債や公債のデフォルト可能性が騒がれているけど、そう簡単にはデフォルトしないと思うんよね。増税余地はあるし、預金凍結などで「ちょっと借りるよ」と一方的に国が国民から借りるなど、まだまだ搾り取る手段は残っているのだ。