カリフォルニア州住宅市場...二番底への落ち込み開始
自分がカリフォルニア州の住宅市場を注目している理由は二つ。
そのカリフォルニア州住宅市場を定期的にまとめてくれているMark Hanson(a.k.a. Mr. Mortgage)の最新報告がでていた。→http://mhanson.com/archives/477
- カリフォルニア州の住宅市場は二番底に向けて動き始めた。
- 2010年2月の28,111という販売件数は1月の27,585よりは伸びているが、前年同期比では減少。
- 2009年1月〜2月は「世界的金融恐慌の瀬戸際」「Fedの量的緩和前」「住宅相場は下落中」という悪条件が揃っていたのに、今年はその数字すら超えられなかった。
- 例年は4月以降から販売件数が伸びることが期待されているが、政府による支援策が切れて行く今年はあまり盛り上がらないだろう。
- 市場は健全なものから程遠い。HAMPなどの支援策でForeclosureを先送りさせ、人工的に供給を減らし、相場を支えているに過ぎない。
- 2月のNOD(デフォルト通知)件数は、販売件数を10%上回った。つまり、需要消化よりも速い勢いで供給が増えつつあるということ。
- 中間価格帯以上の物件は市場に出ても半分も買手が付かない。
- しかも、「ちょっとでも価格が上がったら売り逃げよう」という潜在的売り手が全米で1000万件以上いると推定される。
- 2009年の販売価格増加に貢献していた「転売屋」物件も2010年は減少する。Foreclosure先送りのため、仕入れ物件が減ってしまったから。
- この状況を打開するには、Foreclosure先送りを止めるしかない。差押競売なり、ショートセールスなりで、需要側が望む価格(=今より低い価格帯)に集約させるしかない。
- 現状のようにForeclosure先送りを続ければ、2010年も住宅市場回復はない。下手したら、再急落の可能性もある。今の価格では需要が出てこないので。
- 機械的なForeclosure処理で供給を増やしても価格は下落する。ただし、取引が活発になるので２〜３年で底が固まるだろう。
