正常化への小さな第一歩
CNBC: BofA to Start Reducing Mortgage Principal
- Bank of America(バンカメ)が、住宅ローン返済に苦しむ借手の「元本の最大30%減免」に踏み切るという報道。
- 対象はバンカメが買収したCountry WideがInterest Onlyなどの「バブルローン」で貸し出した案件が中心。
- 借手なら誰でも、ということではない。条件は以下の通り。
- 最低60日返済が滞っていること。
- 残債務が、担保住宅評価額の120%を越えていること。
- オバマ政権のHAMP借手救済プログラムの条件を満たすこと。
- バンカメ側の見積では、45000件が救済対象。元本減免額は30億ドルで、これはバンカメ側が負担。
- この動きは1年半前にノースカロライナ州との間で合意された、Country Wide借手救済策の一貫。
- 他の金融機関にも波及する可能性あり。
じゃあ、最大30%の元本減免ってのはどういうものかというと...
- 当該ローン元本の一部を、5年間は返済対象から外す。その分は利息もかからない。
- 借手が5年間滞りなく返済を続けることができたら、返済対象から外された元本分が正式に免除となる。
→つまり、今すぐ返済免除になるわけではなく「とりあえず5年様子をみる」ということ。
う〜ん
条件三番目の「HAMP借手救済プログラムの条件を満たす」というのが最大の難関か。記事にもあるけど、HAMPで借換に成功した借手は、バンカメの場合「申込者の8%しかいない」のが現実なのだ。
とはいうものの、貸手側が「税金に頼らず、自己資金を使って元本減免まで踏み切った借手救済に踏み出す」というのは、市場正常化に向かっての第一歩ではあろう。予想される対象が45000件というのはとても小さいが。(そして、これまでの救済プログラムの全ては、初期見積が甘すぎたのも事実)