規則を定めれば、必ず抜穴をさがす動きが出てくる

  • 国民皆保険を目指すオバマ政権。
  • 世界で最も医療費が高い国だけあって、保険掛金も当然高い。
  • そして、保険加入を強制させることは経営基盤の弱い中小企業には、大きな負担となる。
  • そこで先日可決された法案では、「従業員50名未満の企業は、保険加入義務の例外措置が取られる」ことになっている。
  • が...

Mish: Why Small Businesses Fear Obama's Health Care Despite Today's Exemptions

  • 企業における医療保険加入が義務化されるのは2014年。
  • 現法案では、従業員50名未満の企業は義務化対象になってない。
  • 統計によれば、米国における50名未満の企業は470万。民間企業の95%。あるいは、民間雇用の29.4%。
  • つまり、これだけの人達が保険加入できない可能性がある。
  • 結果として、加入義務例外の線引きを50から20あるいは10に下げてくることも考えられる。
  • その線引きがどうなるかも重要だが、引かれる線の上(あるいは近傍)にいる企業がどういう行動をとるかを分析するのも大事。
  • 今、48名の事業所が敢えて51名に拡大する選択をするだろうか?
  • 法案における事業所規模の数え方は明確に規定されている。要はフルタイムかどうか。
    • (1) 週30時間以上労働させるとフルタイム。
    • (2) パートで雇っても、一ヶ月の労働時間が120を越えないこと。
  • つまり、50名に前後の企業はフルタイムが50名を切るように工夫をしてくる、ということ。
    • フルタイム職員には残業を強いる。
    • パートや外部要員(派遣とか)、あるいはアウトソースを活用する。
    • 50名越えないようにするか。つまり、成長をしない選択をする。
  • 上のどれか、あるいは組み合わせになるということ。
  • 仮に医療改革の財源が足りない場合、中小企業の適用除外制限を下げてくることが考えられる。
  • その場合も、しきい値に合わせて首切りが進行するだけだろう。

まさにFDRの再来

http://d.hatena.ne.jp/masayang/20091223/1261637615