Zen and the art of market crash
モデル屋さんとして相変わらず悶々と考えている日々でございます。
相場反転
マークファーバーの本で強調されているのは
- 「相場の峠では、指標は上昇しているけど個別株では下落のほうが多い。上昇を引っ張っているのは大型株。」
- 「相場の底では指標は下落しているけど、個別株で見ると上昇のほうが多い。下落を引っ張っているのは大型株。」
という二点。
で、直近の底を打ったときのS&P500とNYSE 52週安値銘柄数を並べてみると
確かに2008/10の底より、2009/3の底のほうが平均株価は下がっているけど、52週安値銘柄数は3月のほうが減っている。
では現状はどうだろうか。S&P500とNYSE 52週高値銘柄数を並べてみると
という感じであり、もし来年4月までに直近高値1250を越えても、52週高値銘柄数が650を越えられなければその時点で峠、となる。問題は...
52週高値銘柄数が650を越えたことはめったにない、という事実。つまり展開としては
- 来年4月までに直近高値1250を越え、52週高値銘柄数が650を越える→長期上昇だけど確率は非常に少ない。
- 来年4月までに直近高値1250を越えるが、52週高値銘柄数が650を越えない→そこが峠で相場は長期下落へ。確率は低くないが、(3)よりは低いのでは。
- 来年4月までに直近高値1250を越えられない。これが一番ありがちな展開か。
の3つが考えられる。さらに(3)は直近の底を割るか、割らずにじわじわ横ばいになるか、という展開が考えられる。
直近のS&P500とNYSE 52週安値銘柄数を比べると
→安値銘柄数のトレンドは微妙。
そこで、小型株(Russell 2000)と中型株(S&P Mid 400)と、S&P500(大型株)の値動き比率を調べてみた。
こうしてみると、小型株と中型株の戻りは、大型株に比べると弱いことがわかる。つまり、今の戻りは大型株主導であり、あまり健全な動きとはいえない。なので、いったん底を試す展開は充分考えられる。
最悪の筋書きは...
でも夏場は出来高も薄く、輸出で好決算を出せる大型株主導でこのままふらふらとインデックスはあがっていくかもしれない。一方で、小型〜中型株の息切れが顕著になって、
- 52W高値更新銘柄増加
- 52W安値更新銘柄増加
- インデックスは上昇
- でも個別銘柄では下落が優勢
なんてことになると、例のヒンデンブルグオーメンの条件を満たしちゃって、クラッシュへ、という筋書きも考えられるわけである。
私にはさっぱりわからないエリオット派分析の人がいう「Wave 5」なんてのは、そういう状態なのかもしれない。