サブプライム大学・ご利用は計画的に

masayang2010-09-12

こんな記事があったのですか...

奨学金が返せない - 若者の貧困に追い討ちをかけ、国際人権規約から逸脱する日本の奨学金制度

Tさんは、図書館司書を夢見て奨学金で大学に進学。資格を取りましたが、非常勤職員の仕事しかなく月10万円の賃金で正職員の募集を待ちながら図書館で働いていました。しかし、奨学金の返済は月2万円。賃金の2割を奨学金の返済にあてるため生活が苦しくなり、トリプルワークもしましたが体調を崩してしまいました。Tさんは仕方なく、図書館司書をあきらめ、正職員の募集があった別の仕事に就くことにしました。

こちらの記事では

大学図書館の職員として雇用された場合、専門職なら月給18万円ほどになる場合もあります。ただし、これは図書館司書として経験豊富な人で、パソコンの操作能力など専門的知識、技能が求められます。

→現場で鍛えられて月給18万円もらえる「こともある」仕事に関する知識を、月2万円返済が必要な奨学金を借りてまで学ぶ経済的恩恵ってどれくらいあるんだろうね。


冒頭記事で紹介されている宮本太郎北海道大学教授の意見が痛すぎる...

 ひとつは奨学金の返済の重さに大きな問題があります。日本の奨学金はすべてが返さなければいけない貸与です。しかも日本の奨学金の総額の7割が利子をつけて返さなければいけない有利子貸与です。先進国を見ると、返さなくてもいい奨学金=給付型の奨学金制度がある国がほとんどです。

→これは本当だろうか? 私設の給付奨学金も存在すると聞いているが。*1

この先生は奨学金の給付条件を緩和して誰でも高等教育を受けやすくしろと言っているようだが...

1970年から2000年の30年間でみると、消費者物価の上昇率は2.9倍なのに大学の学費は、私立大学で5.6倍、国立大学でなんと47.2倍にもなっているのです。

→もし奨学金給付を緩くしていたら、この値上がりはさらにすさまじいものになっていたのではなかろうか。お金をほいほいと持ち込んでくれる人が増えるから、大学側もほいほいと職員を雇えるようになり、それらの職員の給料を上げて、福利厚生を増強し、たんまりと年金を約束できるようになるわけである。

サブプライム大学

組織の成長を維持するためには、潜在的成長率を上回る勢いで新規顧客を増やす必要があり、そのためには彼らに返済不能な貸付を続けなければならない。これはまさに米国住宅バブル末期で起きた現象であり、大学教育でも同じ状況になっていると見てよかろう。([政治][経済][教育]大学教育というバブルは弾けるか?)

大学のセンセーが「もっと奨学金を緩く! 給付型も!」と叫ぶのは、「俺達の給料と老後の生活を安泰にしてくれ」という願いの裏返しであるわけだから、その偏りを差し引いて聞く必要があろう。

今必要なのは、「大学教育とはなんなのか」をもう一度考え直すことではなかろうか。

入学が難しい大学に入り、苦労して卒業するまでの知識を身につけたからこそ、大卒という資格に価値が生じて、生涯賃金の上昇につながったわけである。だがそれがいつの間にか「大学を出ればよい給料」という論理にすり替えられている。冒頭の図書館司書の例を見るまでもなく、「それって大学入ってまで学ぶ必要あるの?」という学校が多すぎないか? 「その大学で払う学費に見合うだけの経済的高価ってあるの?」ということを、今後の受験生は考えてみる必要があろう。

大学にも市場原理を働かせて淘汰させる時期が来たのでは。サブプライム大学はいらないし、サブプライム大学を育む原因となる奨学金乱発も不要。

*1:自分は実家が貧乏だったので、高校と大学の学費の一部は給付型奨学金で助けてもらっていた。