議論するまでもない

補足

  • 能力は想定繁忙時にあわせる。
  • サーバ機器を5年償却で保有

この前提だけで、充分クラウドのほうが安上がり。そもそも想定繁忙時をどうやって見積もるのかで、高給取りのコンサルタントやら上流設計技術者やらがワラワラ沸いてきて高額な請求書を置いていく。そしてその想定繁忙能力がいかに妥当か、外れたときの責任所在をいかに曖昧にするかの駆け引きが続き、これだけでプロジェクト着手が数ヶ月は遅れる→稼動しなかった分は「機会損失」ね。

で、普通は責任所在を曖昧にするために繁忙時能力は多めに見積もられる。つまりは過剰投資。そして繁忙時/閑散時の能力差が大きいほど、この投資効果は低くなる。100あるサーバ能力が100使われることは滅多になく、普段は10とか5で動いていたら、それは損失だよね。でも負荷に応じてサーバ資源を変えられる設計にしておけば、クラウド活用は非常に合理的だ。*1

そしてサーバの価格対性能比は年々向上していく。ムーア法則を単純に適用すると、償却が終わる頃には同じ性能のサーバ価格は1/10くらいまで値下がりしているはずだ。過剰投資に拍車がかかる計算。ちなみにAmazonのEC2クラウドは同じ能力のが毎年5%-10%くらい値下がりしている。ムーア法則のうまみを全部いただくわけにはいかないけど、保有しないことで陳腐化リスクを回避できるのは大きい。

開発時にもクラウドって便利だよね。本番と同じサーバを時間借りできる。ラッシュテストとか、デプロイのテストとか本番構成で試せるのはでかい。稼動後に性能面でどっひゃ〜となる確率を下げることができる。これも損失回避だよね。

最後に撤退リスク。その事業がうまくいかないからやっぱやめます、という判断を下しやすくなる。儲からないままずるずると償却を待つというのも損失。

追記

*1:RDBみたいに単純にスケールアウトしないのもあるから、そう簡単ではないけど保有よりは有利なことに変わりはない