寿司は違法ですよ!

アメリカの飲食店では生卵を客に出してはいけない、とよく言われている。実際、生卵がでてくる場面にでくわしたことがない。だが、なぜ生卵がダメなのかという根拠は意外に知られていないのではなかろうか。自分も今の今まで知らなかった。

SFWeekly Blog: How Safe Is Chicken Tartare? A Saga of Discovery

→日本ではよく見かける「鳥ユッケ」。Berkeleyにある日本料理屋「Ippuku」では、その鳥ユッケを出しているらしい。その鳥ユッケをSFWeeklyが取り上げたら、アメ人達から「鶏肉や卵を生で食わせるのかよ!信じられん!」というツッコミがあいつぎ、今回の記事ではその安全性や「なぜ生でだしてはいけないのか」の調査をしている。


原文では後回しの話題だけど、まずは、「鳥ユッケは合法か?」

  • ブログ著者は地元Berkeleyの保健所やUSDA(米国農務省)に問い合わせ、結果的にCDC(Centers of Desease Control and Prevention)を紹介される。CDCが食品調理などの規定を管理しているのだ。
  • そのCDC規定Section 114004では「飲食店において魚肉類・卵を調理する際の規定」が定められている。鶏肉については「restaurants to cook poultry to an internal temperature of 165 degrees for at least 15 seconds to ensure salmonella, campylobacter, and other pathogens were killed. 」→鶏肉は内部温度が摂氏74度で最低15秒を維持するように調理すること。
  • これだと、鳥ユッケは違法になってしまう。だが例外規定114093というのもあって

Notwithstanding Section 114004, ... ready-to-eat foods made from or containing eggs, comminuted meat, or single pieces of meat, including beef, veal, lamb, pork, poultry, fish, and seafood, that are raw or have not been thoroughly cooked as specified in Section 114004 may be served if either of the following requirements is met:


(a) The consumer specifically orders that the food be individually prepared less than thoroughly cooked.


(b) The food facility notifies the consumer, orally or in writing, at the time of ordering, that the food is raw or less than thoroughly cooked.

→客が要請すればより短時間・低温での調理も許される。また、レストラン側も書面ないしは口頭で客に対して調理が低温・短時間であることを告げれば、114004の規定をはずれてもいいよ(英語では may を使ってる)とのこと。

でも問い合わせ対応をしたCDC職員は114004規定に強くこだわったらしい。そして114004規定を厳密に解釈すると...なんと「生魚食わせる寿司は違法」ということになってしまうのである。


最後に鳥ユッケの安全性:

  • サルモネラ菌が繁殖するのは内臓周りであり、Ippukuでは内蔵を取り除いた胸肉を30秒煮沸したものをユッケに使っている。
  • 残念ながら、サルモネラ菌混入のリスクを無くすことはできない。30秒程度の煮沸では残るし、包丁についた菌が肉内部に残る可能性もある。
  • どんなに頑張っても5-7%程度の混入リスクはあるはず。(University of NebraskaのHarshavardhan Thippareddi博士)

→うちら日本人は子供の頃からサルモネラ菌ついてる可能性位がある卵を食ってきたからある程度耐性ができているんじゃないかと自分は考えているんだけど、実際のところはどうなんでしょ?