「正気回復運動(Sanity Rally)」がエリート主義と批判される理由

ということで選挙も終わり、テレビの宣伝も通常に戻った。こちらは街宣車が騒音立てながら走りまわる光景はみられないけど、テレビをつけるとあちこちで対立候補をこき下ろす宣伝ばかりになるのだ。

その選挙はリバタリアンを乗っ取ったキリスト教保守系が盛り上げる「お茶会(Tea Party)」の活動が象徴的だった。いわゆる「アンチ・エリート主義」を唱えることで、リバタリアニズムとは一線を画すはずの保守派(といえば聞こえはいいが、進化論すら信じないオバカさん達)が合流してきたわけだ。

この流れを批判する形で「正気回復運動(Sanity Rally)」が20万人を動員したわけだが、やはり「エリート主義」と批判されている。なぜだろうか? この記事が参考になる。

NYTimes: Rally to Shift the Blame

Most Americans don’t watch or pay attention to cable television. In even a good news night, about five million people take a seat on the cable wars, which is less than 2 percent of all Americans.

→正気回復運動を主導したのは「コメディセントラル」というケーブル専門局。そして全米でケーブル専門局を視聴しているのは...たったの500万人。米国人口比率で1.7%程度。意外と少ないのね。

その1.7%の人達に「やいお茶会の連中。進化論くらい信じろこのバカども。」と言われたら、そりゃ「エリート主義だ」と開き直るのも理解できなくはない。

そしてこれはケーブル専門局に限った問題でもなかろう。Facebook, Twitter, Blog空間, ... 登録者数はそこそこ多いけど、ヘビーユーザー数となると一気に減ってくる。そういう空間で飛び交う意見は必ずしも世論とは一致しないだろう。「ネットが正しい」「ネットの時代」と宣言する前に、今回の正気回復運動とお茶会の動きをじっくりと分析するのは悪い話ではないはずだ。