地方債・公社債の急落

masayang2010-11-15


→S&P National Municipal Bond Fund(Ticker: MUB)というETFのこの半年の動き。先週からはまさに急落。出来高も増えている。

ただし、長い目で見ると単なる調整にも見える。

→MUBの過去2年の動き。リーマンショック直後には80を切ったこともあったので、そこからは25%上昇していることになる。

MUBをはじめ、地方債・公社債に連動するETFや投信は多い。自分の退職金(401kやIRA)も、一部Muni投信にいれてある。地方債や公社債は米国国債GSE債に比べるとあまり取引は活発ではなく、流動性は高くない。だけど、これらの商品に連動するETFや投信は数多い。ベースとなる商品があまり取引されていないのにETFや投信が存在して値段がつくというのも不思議な話だけど、「関連商品の価格を基準に」ETFや投信の価格が設定される仕組みになっているのだそうな。

その基準となる一つが米国国債で、QE2の結果長期国債の価格が下落(利回りは上昇)。地方債や公社債の期間が長いやつは、UST 30年にスプレッドが乗っかって利回りが決まるので、ここで下落圧力が強まった、と。

あとオバマ政権が後押ししてきたBAB(Build America Bonds)が、共和党躍進により延長なし、という観測が強まっており、BABが有効な年内に起債しようという自治体・公社が目白押しなので、これも地方債・公社債市場の足を引っ張っている可能性が高い。

この調整がどこまで続くか? それがわかれば苦労はしないけど、カリフォルニアのように財政が逼迫している自治体は少なくないので、BABが切れれば高いスプレッドを要求されるか、起債できない状態に追い込まれる自治体は増えてくるのではないか。そうは言っても簡単にデフォルトに追い込まれるところは少なく、歳出削減や増税を通じて債務をなんとか消化していくことであろう。

ちうことで、自分は401kの組み換えをせず「様子見」でいく。Muniものは分配金がいいんだよね。